アースジェガー(牡 美浦・小西一男 父ファルブラヴ、母ヤマノトウショウ)
半兄サンライズジェガー(父リアルシャダイ)は、アルゼンチン共和国杯(GII)を勝ち、天皇賞・春(GI)でも2着となったステイヤー。父がファルブラヴに替わったので、芝のマイル前後を得意とするタイプだろう。母ヤマノトウショウは「トウショウボーイ×ノーザンテースト」で、Hyperionを豊富に含んでいるので底力がある。アーバンウィナー(09年札幌2歳S-GIII・3着)の母ジョウノエンジェルと同じ組み合わせだ。スピードと底力を併せ持った繁殖牝馬は手堅く成功する。
アサクサハンター(牡 美浦・加藤征弘 父ネオユニヴァース、母インディボールド)
母インディボールドはゼンノロブロイ(年度代表馬)の半姉にあたる良血。このファミリーはここ最近、タガノエリザベート(09年ファンタジーS-GIII)やシルクビッグタイム(08年ユニコーンS-GIII・2着)などを出しており、その存在感を主張している。父ネオユニヴァースはやや鈍重なところがあるので、アメリカの速い血とフィットする。本馬の母系にあるSeattle Slew、Mr.Prospectorとも好相性を示しているので期待できるだろう。
アドバンスペリー(牡 美浦・池上昌弘 父クロフネ、母トーヨートーヤコ)
半兄ウルトラマシーン(父ジャングルポケット)は中央未勝利だが、母トーヨートーヤコはトーヨーリファール(93年ニュージーランドT4歳S-GIIなど重賞3勝)の半妹にあたり、2代母サンダードームは4代以内にNative Dancerを3本持っているので、堅実にスピードを伝える。「クロフネ×サンデーサイレンス」、そして母系の奥にNative Dancerの凝縮がある配合パターンはフサイチリシャールと似ている。芝・ダート兼用のマイラー。
インフォカルシー(牡 栗東・矢作芳人 父Pivotal、母Francfurter)
半姉Fraulein(父Acatenango)はカナダでE.P.テイラーS(G1)を勝った。ドイツの牝系に属しており、2代母A Prioriはドイツオークス馬Anna Paolaの全妹にあたる。ドイツの名門レッドゲン牧場が誇る名血で、ハンガリーダービー馬Imperialの血を含むなど異系度の高いファミリーだ。これにNureyev系のスピード種牡馬Pivotalを交配して本馬が誕生した。なじみの薄い血が多いものの、父はスピード値が高く、それなり軽さも感じられるので、日本の馬場にも対応できるだろう。芝向きのマイラー。
カトルズフライト(牡 美浦・杉浦宏昭 父シンボリクリスエス、母ノースフライト)
母ノースフライトは安田記念(GI)、マイルCS(GI)など6つの重賞を制した名マイラー。繁殖成績は期待ほどではないものの、息子のミスキャスト(父サンデーサイレンス)は福島記念(GIII)2着、弥生賞(GII)3着などの成績を残した。現1000万下の3歳馬ハウオリ(父キングカメハメハ)はもっと上のクラスを狙える。「シンボリクリスエス×トニービン」からはきさらぎ賞(GIII)2着のリクエストソングが出ている。この配合はシンボリクリスエス産駒単独に比べて、芝適性が増してダート適性が下がるという傾向がある。芝1600〜2000mあたりが適条件だろう。