アイキャン(牝 栗東・荒川義之 父タイキシャトル、母フラワーチャンプ)
母フラワーチャンプは中山牝馬S(GIII)3着、マーメイドS(GIII)5着などの成績がある。「タイキシャトル×フジキセキ」はカレンナホホエミ(フェニックス賞-OP)と同じ。Nijinskyのクロスを持つタイキシャトル産駒は成功しており、ゴールデンキャスト、サトノプログレス、ウイングレット、ディアチャンスとコンスタントに重賞勝ち馬を出している。母系にトウショウボーイが入るのも好ましい。芝向きの素軽いマイラー。
ダイワトリビューン(牡 美浦・池上昌弘 父フジキセキ、母タイキメビウス)
半兄ドラゴンファング(父タイキシャトル)は阪急杯(GIII)3着馬。母タイキメビウスはアイビスサマーダッシュ(GIII)3着馬。近親にはシルクロードS(GIII)を勝ったアーバンストリートなど多くの快速馬がいる。スピード面に秀でた一族だ。フジキセキ産駒は今年の2歳世代が好調で、すでに19頭が勝ち上がっている。今年はヒットジャポット、クロフォードなどIn Realityクロスを持つ配合馬が目につく(19頭中4頭)。本馬はこのパターン。マイル以下の芝で活躍するだろう。
フゲン(牡 美浦・二ノ宮敬宇 父El Corredor、母サイプレス)
母サイプレスは、Again(09年愛1000ギニー-愛G1、08年モイグレアスタッドS-愛G1)の半姉にあたる良血。父El Corredorは、現役時代にシガーマイルH(米G1)など10戦7勝の成績を残した。スピードとパワーが持ち味なので、産駒の活躍の場はマイル以下のダートにほぼ限定される。1200〜1400mでとくに強い。父系はEl Corredor→Mr.Greeley→Gone West→Mr.Prospectorとさかのぼる。本馬は、母系がヨーロッパ血統なのでそれなりに芝適性もありそうだが、切れる脚を使えるようには見えないので、基本的にはダートのほうがいいだろう。新馬戦に強いタイプ。
ブランジェリーナ(牝 美浦・藤沢和雄 父Smarty Jones、母スティンガー)
母スティンガーは、本馬と同じく藤沢和雄厩舎に所属し、阪神3歳牝馬S(GI)を制し、京王杯スプリングC(GII)を2勝するなど重賞を5勝した名牝。繁殖牝馬となってからは日本→アメリカ→日本と移動し、その間にフレンチアイドル(父フレンチデピュティ)、スコルピオンキッス(父フレンチデピュティ)、タイガーファング(父Kingmambo)を産んだ。しかし、いずれも成績は振るわない。本馬の父Smarty Jonesは、アメリカでケンタッキーダービー(G1)とプリークネスS(G1)を制し、ベルモントS(G1)では2着となった準三冠馬。スピード値の高い血統なので、スピードを伝え切れていないスティンガーとの配合は悪くないだろう。Sir Ivor≒Halo 5×3などの小技も利いている。芝・ダート兼用のマイラー。
ヤマニンティアモ(牝 栗東・浅見秀一 父キングカメハメハ、母ヤマニンパラダイス)
母ヤマニンパラダイスは、デビュー3連勝で阪神3歳牝馬S(GI)を制したマル外の名牝。しかも3戦ともレコード勝ちという快挙だった。その後、度重なる故障によって大成を阻まれたのは不運だった。「Danzig×Alydar」で牝系も名門という良血馬。繁殖牝馬としても成功し、京成杯(GIII)を勝ったヤマニンセラフィム(父サンデーサイレンス)、阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)で2着となったヤマニンアルシオン(父サンデーサイレンス)などを出している。父キングカメハメハは、今年の2歳世代からアパパネとローズキングダムという大物を誕生させた。本馬と同じく母系にNever Bendを持つキングカメハメハ産駒には、前出のローズキングダムとフィフスペトルなどがいる。身も蓋もないようなむき出しのアメリカ血統ともうまくフィットする種牡馬なので、ヤマニンパラダイスとの組み合わせも悪くないだろう。芝向きのマイラー。