12日(土)から17日(木)まで、香港に行って来ました。主目的は、もちろん、13日にシャティン競馬場(沙田馬場)で行われた香港国際競走(香港國際賽事)観戦。オッズパークが“お得意様”(=手っ取り早く言えば、たくさん馬券を買っていただいたお客様)をご招待してのツアーに、香港競馬&国際競走の案内役として参加したんです。
そこで今回は、このたびの香港競馬旅行で見聞きしたことをもとに、つれづれなるままに書かせていただきます。
まずは香港国際競走当日。日本をはじめ、世界各地から観戦にやってきた団体客が大勢いました。それぞれバスをチャーターして競馬場に乗り込んで行ったわけですが、競馬場に到着すると、各々のグループに専属の係員が待ち構えていて、スムーズに観戦席まで誘導してくれました。まるで、港に着いた船をそれぞれの停泊場所に誘導する水先案内人が配されているようなもの。このホスピタリティは香港ならではです。ディープインパクトの凱旋門賞を観戦しに行ったとき、ロンシャン競馬場にはそんな係員はいませんでしたからね。
われわれのツアーの観戦席は、直線中ほどから4コーナー寄りに建っているスタンド3階の裏側、コンコース部分にありました。観戦席と言っても、バイキングスタイルの食事を取れるテーブルと馬券売り場があるだけで、そこからは直接レースを見ることはできません。しかし、コース側には、そのエリアの入場客専用に観戦スペースが設けられていて、ゴールまではやや遠いものの、レースはバッチリ観戦できました。バイキングのメニューは豊富で美味。馬券もラクラク購入できたので、ほとんど言うことナシです。来年はぜひみなさんも、とオススメしたくなりました。
ご存知の方も多いとは思いますが、香港の馬券は多彩で、どれを買うか迷ってしまうほど。馬券もバイキングスタイルで楽しめると言ってもいいでしょう。中でもビッグな配当を期待できるのがトリプルトリオ(三T)。指定された3つのレースの3連複を当てるものです。ただし、これを買うには、狙い馬の数をちょっと増やしただけで買い目が膨大な数になるということに気を付けなければいけません。例えば、各レースをすべて5頭ボックスで買った場合、買い目は5×4×3÷6の3乗、つまり10×10×10=1000通りになります。トリプルトリオは、1枚のマークカードで50通り以上買えば2HKドル単位で買えますから、1000通りだと少なくとも2000HKドルが必要になるということ。購入される際は買い目の数にご注意下さい。(1HKドル=約12円)
私がハマリかけている馬券はオールアップ(過關)です。これは、“香港流パターンメイドコロガシ馬券”。レースを2つ以上6つまで選び、単勝(獨贏)、複勝(位置)、馬複(連贏)、ワイド(位置Q)のいずれかの賭け式(レースごとに選択可)でパターンに応じてころがす(的中した馬券の払戻金を次のレースに投入する)というものです。
例えば、第1Rの1番と2番の単勝、第3Rの2番、5番、8番の3頭馬複ボックス、第6Rの3-4、3-7のワイドでころがすという場合。3×3というパターンを選ぶと、第1→第3、第1→第6、第3→第6レースの、3パターンのコロガシができます。3×4というパターンだと、これに第1→第3→第6レースの2段階コロガシが加わります。そして、3×7のパターンを選ぶと、第1、第3、第6レースのそれぞれの単独馬券と、上に挙げた4つのパターンのコロガシをまとめて買えるんです。
この馬券も、買い目とコロガシのパターンを増やせば増やすほど、相当な額の元手が必要になります。上に挙げた買い方でご説明しましょう。第1Rは2頭の単勝で2通り、第3Rは3頭の馬複ボックスで3通り、第6Rはワイド2通りを買います。3×3のパターンだと、第1→第3レースのコロガシが2×3通り、第1→第6レースが2×2通り、第3→第6レースが3×2通りで、買い目の数はその合計で16通りになります。3×4のパターンだと、これに3つのレースすべてのコロガシが加わりますから、2×3×2の12通りの馬券を買い足すことになり、買い目の数は28点。3×7のパターンだと、さらに各レースごとの単独の馬券、2+3+2通りを加えて、合計は35点に増えます。
単・複・馬複・ワイドの最低購入単位は10HKドル。ただし、これも1枚のマークカードで20点以上購入する場合は1点5HKドルから買えます。上に挙げた買い方の場合、3×3のパターンは16通りなので、1点は10HKドル単位となり、元手は少なくとも160HKドル必要。3×4、3×7のパターンは20点以上になるので、1点は5HKドル単位でOK。元手はそれぞれ140HKドル、175HKドル以上必要です。
オールアップの仕組み、この説明でお分かりいただけましたでしょうか? で、私がハマリそうになっているのは、ワイド4頭ボックスの2レースコロガシ。2つのレースのワイド4頭ボックスを2×3のパターンで買うものです。2×3は、2つのレースそれぞれの単独馬券と、2レースのコロガシを同時に購入するというやり方。1つ目のレースで選んだ4頭のうち3頭が3着以内に入れば3通りのワイドが的中、まずは単独馬券の購入分でその分の払戻金を確保できます。そして、コロガシ馬券購入分で、同額の払戻金を次のレースに自動投入(資金は買い目3点に3分割)。次のレースでも同じように的中すれば、次のレースの単独購入分と、コロガシで増えた分の払戻金をガッポリ手中に収められるんです。
なんて書いてはみたものの、これでガッポリ儲けたことはいまだにありません。でも、もう少しのところまでは行っています。これはハマリますよ。ワイド4頭ボックスの2×3パターンだと、単独購入分は4×3÷2=6通りの2レース分で12通り。コロガシ分は6×6=36通り。買い目は合計48点で、これを5HKドルずつ買いますから、購入額は240HKドル。つまり、3000円弱で2レース楽しめるってことです。「なんだ、それっぽっちしか買わないのか」ですって? いいんですよ、そのくらいのほうがユッタリ楽しめますから。
そうそう、香港競馬には「初心者向け競馬ガイド」というリーフレットが用意されています。馬券の種類や最低購入額はこれを見ればバッチリわかるので、とても便利です。そのリーフレットに、「責任のあるギャンブルのガイドライン」と題して、次のような注意書きが載っていました。いわく「ギャンブルの予算を決めてください、余裕のあるギャンブルにして下さい、借金でのギャンブルはやめましょう、ギャンブル以外のレジャー活動もご参加ください、損失した賭け金をギャンブルで取り返すのはやめましょう」。ね、みなさん、香港の競馬って親切でしょう? 私も、この注意書きにしたがって、余裕のあるギャンブルをしている、というわけです!
とはいいながら、ワイドのオールアップにハマリかけている私。次はいつ香港に行こうか、帰ってきてすぐにそれを考えているところでもあります。トホホ。
おしまいにもうひとつ。余計なネタで恐縮ですが、香港に「金球」という馬がいるのを発見しました。英語名はもちろん「Golden Ball」。オーストラリア生まれの7歳せん馬(!)で、香港では07〜08年シーズン以降で31戦2勝という成績を挙げています。最近では12月6日にシャティン競馬場のレースで5着になっています。香港賽馬會の公式サイトによれば、以前にもイギリス生まれの同名馬(こちらもせん馬!)が走っていたことがあるそうです。さらに調べてみたら、現役には「金玉満堂」という馬(これもせん馬!英語名は『Pot of Gold』)もいました。ただそれだけの話です。エヘヘ。
さぁ、今年もあとわずか。来週の当コラムは、東スポ予想コラム連載当時からの恒例、「09私の競馬10大ニュース」を発表します。どうぞお楽しみに(ホントに楽しみにしてくれる人がいるかどうかわかりませんが)!
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