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母はブラジルの名牝、新馬戦から注目したいグリーリーレイ

  • 2010年01月05日(火) 23時49分
 アイアムノココロ(牝 美浦・奥平雅士 父フジキセキ、母コマーサント)
 オーナーの堀紘一氏によると、今年の3歳世代は少数精鋭主義とのことで、持ち馬はわずか3頭。それらはいずれも馬見の達人によるセレクトだという。なかでも図抜けて評価が高かったのがこの馬。体質があまり強くないのがネックとのことだが、残り2頭はそれぞれ2勝を挙げるという活躍ぶりなので、この馬への期待は高まる。母コマーサントはフランスでプシケ賞(G3・芝2000m)を勝ち、北米に移籍後はE.P.テイラーS(加G1・芝10f)を勝った。しっかりとしたスタミナを持っているのでマイル以上で活躍しそう。

 アテナブルー(牝 美浦・田村康仁 父ジャングルポケット、母セイントセーラ)
 半兄シルクフェイマス(父マーベラスサンデー)は日経新春杯(GII)など3つのGIIを制した中長距離型で、宝塚記念(GI)2着、有馬記念(GI)3着、天皇賞・春(GI)3着などの成績もある。本馬の父は長距離得意のジャングルポケットなので、牝馬ながら1800m以上で本領を発揮するタイプだろう。母系にCaerleonを持つジャングルポケット産駒にはトーセンキャプテン(08年函館記念-GIII、07年アーリントンC-GIII)がいる。洋芝で強そうだ。

 グリーリーレイ(牝 栗東・平田修 父Mr.Greeley、母コーレイ)
 母コーレイはブラジル産馬で、現役時代は牡馬相手にクルセイロドスル大賞(G1・芝2400m)を快勝するなど3つのG1を制した。ちなみに同レースの勝ちタイムは2分23秒7ときわめて速い。これにMr.Greeleyを交配して誕生したのが本馬。Mr.GreeleyはMr.Prospector系で、現役時代はアメリカでG3を3勝。BCスプリント(G1)では2着と健闘している。仕上がりの早いマイラー型の種牡馬として成功しており、日本ではデビュー戦で連対率41.3%という好成績。初戦駆けする血統だ。芝・ダート兼用のマイラー。

 タガノサムアップ(牝 栗東・松田博資 父フジキセキ、母スペリオルパール)
 半兄タガノボーディング(父ブライアンズタイム)は3勝。母スペリオルパールは不出走だが、四冠を制覇し年度代表馬に輝いたナリタブライアン、同じく年度代表馬のビワハヤヒデの半妹にあたる良血。繁殖牝馬として期待できる存在だ。「フジキセキ×ティンバーカントリー」は新潟2歳S(GIII)を勝ったシンメイフジとまったく同じ。父フジキセキは母系にMr.Prospectorを持つ繁殖牝馬との組み合わせで無難に成功しているので悪くない。芝・ダート兼用で1600〜2000mあたりで強そう。

 マルブツケイ(牡 栗東・加用正 父タイキシャトル、母カイロローズ)
 母カイロローズは不出走馬。その4分の3妹にプリティーポリーS(英G1)を勝ったTake the Hint、半妹にシュプリームS(英G3)を勝ったStrongholdがいる良血。父がタイキシャトルなので、本馬はThatch=Special 4×4という同血クロスを持っている。これはクリスタルC(GIII)を勝ったディープサマーと同じ組み合わせ。芝向きのマイラーだがダートもこなす。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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