「船橋記念」は、06年から距離1000mへ変更、同時に施行時季も船橋新春開催と固まった(古くはアラブ系重賞、97年〜05年はサラ古馬1800mで実施)。南関東短距離ロード、第1弾。わずか4年間の歴史だが、特殊条件でもあり“傾向”としてデータをまとめる。
(1)…波乱含み。1番人気=6、4、9、1着、2番人気=3、2、2、5着、3番人気=4、7、4、2着。1人気は昨年スパロービートだけが好走している。
(2)…地元優勢。船橋=3勝、2着2、3着3。ほぼ圧倒的な数字といってよく、ここでも例外はスパロービート(川崎)1頭だけ。
(3)…高速決着。平均勝ちタイム=58.8秒。07年プライドキムは58.1秒のレコードだった。勝負の基本は短距離戦らしい絶対スピード。
(4)…好調の円熟馬。年齢別では、6歳=1勝、2着3、3着2とリードする。そして好調馬。連対8頭中、5頭までが前走を勝っていた。
(5)…自在型注目。逃げ=2、先行=1、差し=5。純然たる逃げ切りは前述スパロー1頭だが、四角6番手以降からの連対も例がない。
※データ推奨馬
▲テイエムシップウ…船橋所属の6歳馬。持ちタイムがあり(福島・船橋、1000mで2度58秒台)、自在性も備えていること。ひと息ふっ切れない近況だが、鞍上本田Jは毎回渾身の騎乗にみえる。斤量差を生かして食い込み。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎フジノウェーブ
(57・戸崎)
○スリーセブンスピン
(57・真島)
▲テイエムシップウ
(53・本田)
△プライドキム
(57・川島)
△ケイアイスパイダー
(51・和田)
△シアトルバローズ
(55・山崎)
△ストロングライデン
(51・脇田)
サミンバリオス
(53・左海)
ワイルドイリーガル
(53・水野)
ディアヤマト
(57・坂井)
フジノウェーブの能力を素直に買った。GI「JBCスプリント」を筆頭に重賞5勝。中山「カペラS」3着(1200m=1分09秒1)などアウェーにも良積があり、ことスプリント部門でははっきり“全国レベル”を確定している。一見不振の昨年だが、現実に「東京シティ盃」を制し、以後ハイレベルの交流Gも3、5、5着だから悪くはない。ごく客観的に“いい意味の平行線”は保っている。そして今回追い切り、寮馬スリーセブンスピンと併せ余裕の先着。久々に“万全”がイメージできた。経験の少ない左回りだが、船橋1戦4着は「かしわ記念」。フィーリングが合うとすれば問題ない。まして向正面スタート、一気に突っ走れる1000m。この相手で別定57kgは恵まれすぎた。
その寮馬スリーセブンスピンはJRA・4勝。生粋のスプリンターで、転入初戦の前走(オーバルスプリント=浦和1400m)も、先行して存在感を示す3着だった。対フジノウェーブ、同斤57kgは厳しいが、単に昇り目というなら同馬有利の見方も出る。テイエムシップウは前述通り軌道に乗ったスプリンター。地味で人気にならず、そのぶん鞍上も腹を据えて(直線勝負)乗れそうだ。プライドキムは実績上フジノと互角(全日本2歳優駿などタイトル5つ)。一昨年「クラスターC」、フェラーリピサ相手のレコード勝ちもまだ記憶に新しい。いわゆる意外性のある馬で気配重視か。以下、デキのよさと軽量でケイアイスパイダー、ストロングライデン。JRA時一貫強敵にもまれてきたシアトルバローズにも不気味さがある。