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オッズパークロトの改善点

  • 2010年01月23日(土) 12時00分
 今月9日からばんえい帯広競馬で発売が開始された「オッズパークロト」(オッズパーク会員限定発売の5重勝単勝式馬券)。23日からは福山、佐賀競馬でも発売されるほか、今後は園田、荒尾、笠松、岩手でも続々と発売が始まります。

 帯広の「ロト」はコンピューターが自動的に買い目を決める「ランダム方式」での発売ですが、23日スタートの佐賀と2月2日スタートの荒尾では、買い手が自ら買い目を決められる「セレクト方式」で発売されます。いよいよ本格的な“5重勝時代”が幕を開けるわけですね。

 全国に先駆けて発売が始まった帯広競馬では、すでにキャリーオーバーも発生、早くも高額配当が飛び出しています。発売開始2週目まで、計6日間の結果をまとめてみました。

ばんえいロト


CO=キャリーオーバー
*=1月10日第10Rは10頭立てのところ1頭が競走除外となり9頭立てに。該当馬への投票分は返還。

 1月10日は最終レースで10番人気の馬が勝ったのに1票が的中。11日は対象5レース中、1番人気馬が3勝、3番人気馬が2勝と堅く収まったにもかかわらず的中票は0、18日も1番人気馬と2番人気馬が2勝ずつを挙げ、最終レースは4番人気馬が勝って比較的順当な決着だったのに、これも的中票がなく、両日ともにキャリーオーバーが発生しています。これはおそらく、「ランダム方式」の賜物といったところでしょう。

 理論上は、発売票数が組み合わせ総数を上回れば1票以上の的中票があるはずですが、18日までの発売票数は多い日でも3万1000票余りにとどまりました。ということは、かなりの確率で的中票0=キャリーオーバー発生となるはずなんです。逆に、フツウならアッと驚くような馬が勝ったとしても、的中となる馬券が発売されているかもしれません。

 一方で、17日のように、複数票が的中なんていうことも起きました。「ランダム方式」でも、コンピューターが決めた買い目を実際に買うかどうかは買い手が決められます。自分の買いたい買い目が提示されるまで、何度も購入操作をやり直す人もいるでしょう。はたして何回までその操作が可能なのかはわかりませんが、そういうことができるということは、コンピューターは発売票数以上の組み合わせを提示していると考えられます。購入をキャンセルされた買い目の中に的中したはずのものがあったり、複数購入された買い目が的中となったりしても、不思議じゃないってことです。

 それなら、オッズパークのサイト上に、こんな機能を加えてみてはいかがでしょう?例えば、いったん提示された買い目をキャンセルした場合、後でその買い目を再表示できるという機能。「アチャーッ!、これをキャンセルしなけりゃ、オレが当たってたのに!」なんていうことが一目瞭然です。これって、余計なお世話ですか?

 だったら、複数票をまとめて購入するとき、コンピューターが選んだ買い目の一部が気に入らなかったら、そこだけをキャンセルして選び直してもらえる機能、というのはどうですか?今のところ、複数票をいっぺんに購入する場合、いったん提示された買い目をキャンセルすると、すべての買い目が選び直されてしまいます。気に入った買い目だけを残しておくことはできません。これを何とかしてほしいと思っている人は多いと思うんですけど。

 中には、『ランダム』なんだから、提示された買い目をキャンセルできるなんてもってのほか。提示された買い目はブツブツ言わずにそのまま買え!」という人もいるでしょう。JRAが売り始めた「GOOD-LUCK馬券」はキャンセルできないですからね(連勝式の場合は“軸馬”を決めることができますが)。それもごもっともです。

 まぁ、いろいろとご意見、ご要望があるとは思いますが、競馬に、今までにない楽しみが増えたわけで、それを素直に楽しめばいいんじゃないですか?ただし、今後相次いで発売開始となる各競馬場の「オッズパークロト」が、ファンの財布の中身を奪い合うようなことにならないか、そのへんがちょっと心配でもあります。

 さてさて、18日に的中票がなく、170万円強の金額がキャリーオーバーとなっている23日の帯広競馬、私も馬券を買いましたが、結果はどうなっているでしょう?当たってるといいなぁ…。では、また来週!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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