アンコールワット(牡 栗東・吉田直弘 父ジャングルポケット、母フォレストキティ)
半姉キティ(父Northern Afleet)はデビューから5戦連続連対し、準OPまで出世している期待の新鋭。父はジャングルポケットに替わったが、キティと本馬はいずれも父にNureyevが含まれる。母系にStorm Catを持つジャングルポケット産駒は意外なことに過去1頭も競馬場で走っていない。ただ、間違いなくダートは上手そうだ。距離は万能で新馬戦ではとくに強いので要注意。
エリモアーティスト(牡 栗東・佐々木晶三 父ジャングルポケット、母アールデコ)
近親にエリモエクセル(オークス)、エリモブライアン(ステイヤーズS)などがいる。父ジャングルポケットのに含まれるSpecialは、母の父タイキシャトルに入るThatchの全姉なので、本馬はSpecial=Thatch 4×5という全姉弟クロスを持っている。NureyevとRivermanの組み合わせも、スピニングワールドを筆頭に数多くの一流馬を生み出しており好感が持てる。芝向きの中距離タイプ。
カールファターレ(牝 美浦・堀宣行 父キングカメハメハ、母エルフィンフェザー)
「キングカメハメハ×サンデーサイレンス」の組み合わせは、ローズキングダム(09年朝日杯FS-GI)、ゴールデンチケット(09年兵庫CS-GII)、アドマイヤテンクウ(10年京成杯-GIII・2着)と同じ。母エルフィンフェザーは年度代表馬エアグルーヴの半妹で、祖母はオークス馬ダイナカール。父がキングカメハメハでダイナカール牝系とくればルーラーシップ(10年若駒S-OP・2着)を思い出す。血統的には楽しみが大きく、将来、繁殖牝馬としても期待できそう。芝1600〜2000mあたりに向いている。
ハッピーディレンマ(牝 栗東・吉田直弘 父アグネスタキオン、母ハンターズマーク)
母ハンターズマークは米で1勝。キングカメハメハ(04年日本ダービー-GI)の半姉、The Deputy(サンタアニタダービー-米G1)の半妹にあたる良血。この牝系とアグネスタキオンの組み合わせは初めてだが、そこそこ悪くないと思われる。母はParty Doll≒ラストタイクーン2×2とも表現できる大胆な配合で、配合次第で大物を出せるかもしれない。本馬と同じく母系にBe My GuestとBlakeneyを併せ持つアグネスタキオン産駒にはジェルミナル(09年フェアリーS-GIII)がいる。芝向きのマイラー。
ファイナルリリー(牝 美浦・石毛善彦 父ロージズインメイ、母リンデンリリー)
母リンデンリリーは、今は亡き岡潤一郎騎手とのコンビでエリザベス女王杯(GI)を制し、繁殖牝馬としてもヤマカツリリー(03年フィリーズレビュー-GII、02年阪神JF-GI・2着、03年秋華賞-GI・3着)を出した。残念ながら08年春に死亡したため、名前のとおり本馬がリンデンリリーの最後の子となる。父ロージズインメイは、強く主張する血を持たないため母系の特徴に左右されるところがある。また、意外なほど芝向きでもある。母の父ミルジョージは癖の強い血なので、ロージズインメイとは合うかもしれない。芝向きの中距離タイプ。