スマートフォン版へ

カネヒキリと同一の血統構成、ダートで期待ミラクルバレー

  • 2010年02月16日(火) 14時00分
 タガノイノセンス(牝 栗東・岡田稲男 父マンハッタンカフェ、母ウッドフェアリー)
 母ウッドフェアリーは1勝馬で、繁殖牝馬としてもこれといった活躍馬を出しているわけではない。しかし、マンハッタンカフェとの間に生まれた本馬には、配合的な魅力を感じる。父マンハッタンカフェはドイツ血統を含むなど異系色の強い血統なので、現代の主流父系であるMr.ProspectorとNorthern Dancerを併せ持つ繁殖牝馬と好相性を示している。本馬はこのパターンに当てはまる。また、Bold Bikini≒Madamoiselle W. 4×4もユニーク。父は柔らかすぎるところがあるので、硬いアメリカ血統とフィットする傾向が見られる。この点でも申し分ない。芝・ダート兼用のマイラーだろう。

 デルマカラカラ(牡 栗東・牧浦充徳 父フジキセキ、母フジヤマエンゼル)
 母フジヤマエンゼルは未勝利馬だが、その半兄にノボジャック(JBCスプリント-GIなど重賞8勝)がいる。父フジキセキはMr.Prospectorを含んだ繁殖牝馬と相性がいい。本馬はこのパターンに当てはまる。また、In Reality と Great Above のニックスや、Halo≒Drone 3×4などもあり、配合構成はなかなか。母が「Holy Bull×アフリート」で、ノボジャックが近親にいることを考えればダート向きは明らか。1200〜1600mに向いた仕上がり早のスピード馬。

 ドリームムサシ(牡 栗東・中村均 父ネオユニヴァース、母タイキミステリー)
 母タイキミステリーは未勝利馬だが、クロフネミステリー、タイキエニグマ、タイキパイソンなどを兄弟に持つ良血。繁殖牝馬としてもナムラビッグタイム(ニュージーランドT-GII・3着、ファルコンS-GIII・3着)を出しておりなかなか優秀だ。これまではなぜか非サンデー系種牡馬と交配することが多く、04年にスペシャルウィークの子を産んでいるが、中央では不出走に終わっている。母のスピードは父ネオユニヴァースの重厚さとフィットするはず。芝・ダート兼用のマイラー。

 ブレトワルダ(牡 栗東・森秀行 父キングカメハメハ、母マルカキャンディ)
 母マルカキャンディは府中牝馬S(GIII)の勝ち馬で、芝1600〜2000mあたりを得意とした。繁殖牝馬としては、タニノギムレットとの間にライムキャンディ(クイーンC-GIII・2着)を送り出している。本馬は「キングカメハメハ×サンデーサイレンス」。この組み合わせはローズキングダム、ゴールデンチケット、アドマイヤテンクウなどと同じ。芝1600〜2000mに向いている。

 ミラクルバレー(牝 栗東・作田誠二 父フジキセキ、母シルバーバレーガール)
 フジキセキの代表産駒の1頭カネヒキリ(ダートGIを7勝)は、母ライフアウトゼアがSilver Deputyの全妹にあたる良血だった。本馬は、父がフジキセキで、母がライフアウトゼアの全妹。つまり、カネヒキリと血統構成がまったく同一ということになる。半兄シルクファラオ(父Crafty Prospector)とグラスブレイド(父キングカメハメハ)は1勝馬だが、本馬には期待できるだろう。ダート向きのマイラー。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング