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走る素質十分、フサイチエアデールの半弟トーセンアンタッチ

  • 2010年02月23日(火) 12時00分
 アンヴァルト(牡 栗東・平田修 父Vindication、母アーティストチョイス)
 1970年代のフランス最強牝馬Allez Franceは、子出しの悪さに苦しみながらも5頭の産駒を残した。本馬は、そのなかで唯一重賞を勝ったAction Francaiseを3代母に持つ。父VindicationはSeattle Slew系で、現役時代にブリーダーズCジュヴェナイル(米G1)を勝った。種牡馬としてはほぼダート専用。母の父もパワー型のGiant's Causewayなので、活躍の場はダートに限られそう。1400〜1800mあたりが合っている。

 コンゴウタイガー(牡 栗東・山内研二 父スニッツェル、母フーラフライト)
 母フーラフライトはAJCメトロポリタンH(豪G1・芝2600m)など重賞3勝。1997年から2005年まで北海道のノーザンファームで繁殖生活を送り、その後またオーストラリアへ戻った。日本時代はこれといった活躍馬を出せなかった。父スニッツェルはオークレイプレート(豪G1・芝1100m)など4つの重賞を制した名スプリンター。2007年にシャトル種牡馬として社台スタリオンステーションで種付けを行い、翌年49頭の産駒が誕生した。日本には珍しい純然たるスプリンター種牡馬なので、どんな産駒を出すのか興味深い。芝向きのマイラー。

 サクセスアイニー(牝 栗東・梅田智之 父ジャングルポケット、母アワーミスレッグス)
 半姉サクセスビューティ(父サンデーサイレンス)はフィリーズレビュー(GII)の勝ち馬。その息子にサクセスブロッケン(フェブラリーS-GI、東京大賞典-GI)がいるので、本馬とサクセスブロッケンは叔母と甥の関係となる。母系にDeputy MinisterとRibotをあわせ持つジャングルポケット産駒なのでオウケンブルースリ(菊花賞-GI)と血統構成がやや似ている。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

 デルマアグリッピナ(牝 美浦・矢野英一 父スペシャルウィーク、母ヘルスウォール)
 母ヘルスウォールはエリシオが送り出した牝馬の代表産駒で、現役時代にチューリップ賞(GIII)を勝ち、桜花賞(GI)でも5着となった。初子のアサクサダンディ(父フジキセキ)はニュージーランドT(GII)3着、スプリングS(GII)4着などの成績がある。その半妹にあたる本馬は、同じサンデーサイレンス系のスペシャルウィークを父に持つ。2代母サラトガフラッシュはPromised Land≒Darlin Patrice 3×3というユニークな4分の3同血クロスを持つ。2代父サンデーサイレンスはPromised Landを持っているので、本馬はこの4分の3同血クロスを継続し、Promised Land≒Darlin Patrice 5×5・5。半兄アサクサダンディも本馬もこのクロスを持つので期待大。

 トーセンアンタッチ(牡 栗東・池江泰寿 父アグネスタキオン、母ラスティックベル)
 半姉フサイチエアデールは報知杯4歳牝馬特別(GII)、ダービー卿チャレンジT(GIII)など4つの重賞を制し、GIでも再三2着となった名牝。半兄ベラージオはマーチS(GIII)で3着となった。この牝系はスピードと瞬発力を伝えており、父がアグネスタキオンに替わった本馬もそうした特徴を受け継いでいるはず。全姉ピアレスベルはいろいろ弱いところがあってデビューできず、本馬も仕上がりが遅れている。しかし、配合は高水準なので走る素質は十分あるはず。芝向きのマイラー〜中距離タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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