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全姉は豪G2勝ち馬、短距離で出世の期待セトノレンブランサ

  • 2010年03月09日(火) 00時30分
 イフノットナウ(牡 美浦・手塚貴久 父Malibu Moon、母Mystical Morning)
 母Mystical Morningの半兄に米G3を勝ったMorning Meadowがいる。父Malibu MoonはSeattle Slew系のA.P.Indy産駒で、競走成績は2戦1勝ながら良血(母、2代母がともに仏G1馬)を買われて種牡馬入りし、G1馬を次々と送り出して成功を収めている。本馬はダート向きのマイラーだろう。配合的には名牝Lassie Dear 4×4が光る。A.P.Indyの母が持つSecretariat≒Sir Gaylord 1×3を継続するものなのでおもしろい。

 オグリアフター(牝 栗東・鹿戸明 父キングヘイロー、母アフターディナー)
 半兄ディーエスサンダー(父タヤスツヨシ)は、盛岡に遠征してマーキュリーC(GIII)を勝ったほか、東海S(GII)では1位入線も3着降着、ブリーダーズGC(GII)2着、アンタレスS(GIII)3着など、ダート中距離戦線で活躍した。本馬の父キングヘイローはLa Troienne牝系の血を引く馬と相性がいい。したがって、母系にマルゼンスキー、Never Bendが入る本馬は配合的に悪くない。Somethingroyal≒Imperial Hill 6・6×5という4分の3姉妹クロスもおもしろい。ダート向きの中距離馬。

 セトノレンブランサ(牝 栗東・鮫島一歩 父Encosta De Lago、母Miss Chanel)
 オーストラリア産馬なので生まれが約半年遅い。父Encosta De LagoはFairy Kingの子で、07-08、08ー09年と2シーズン連続オーストラリアのチャンピオンサイアーに輝いている。自身はマイル以下で活躍したスピード馬で、産駒もマイル以下を主戦場としている。本馬の全姉Miss Fantabulousは豪G2の勝ち馬。半兄セトノアンテウス(父ロックオブジブラルタル)は芝短距離で準OPまで出世した。本馬もやはり芝短距離を得意とするだろう。血統的背景は素晴らしいので期待したい。

 ヒーロー(牡 栗東・音無秀孝 父フジキセキ、母ブリリアントベリー)
 ニューベリー(京都金杯-GIII・2着)の全弟、レニングラード(アルゼンチン共和国杯-GII)、カンパニー(父ミラクルアドマイヤ/天皇賞・秋-GI、マイルCS-GIなど重賞9勝)の半弟にあたる良血。母系にMr.Prospectorを持つフジキセキ産駒は安定して走っており配合も申し分ない。ニューベリーと同じく芝・ダート兼用で、1400〜1600mあたりを得意とするはず。

 メイショウアリス(牝 美浦・小島太 父マンハッタンカフェ、母コッコレ)
 全兄メイショウレガーロは重賞勝ち鞍こそないものの、京成杯(GIII)2着、中山金杯(GIII)3着、函館記念(GIII)3着、新潟記念(GIII)3着などの成績を残している。父マンハッタンカフェはドイツ血統が入るなど異系色の強い血なので、交配相手にふさわしいのは主流血統を含んだ牝馬。素直にMr.ProspectorやNorthern Dancerを入れたものが走っている。Northern Dancer系のなかでもとくにNijinskyとの相性は抜群。母系にMr.ProspectorとNijinskyを併せ持つパターンからはマンハッタンスカイ、イコピコ、サンディエゴシチー、レッドアゲートなどの重賞勝ち馬が誕生している。配合がしっかりしているので本馬も期待できる。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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