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大物感あるアグネスタキオンの娘、テラコッタ

  • 2010年03月30日(火) 23時00分
 ショウナンハーレー(牡 美浦・二ノ宮敬宇 父クロフネ、母バブルウイングス)
 半姉に阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)を勝ったショウナンパントル(父サンデーサイレンス)がいる。父クロフネは良血の繁殖牝馬との交配で素直に結果を出すタイプなので悪くない。芝・ダート兼用のマイラーだろう。気になるのはクロフネが Sadler's Wells との組み合わせであまり結果を出していないこと。この部分さえクリアできればポテンシャルの高い血統なのでいい結果を出すことができそうだ。

 スズカシャングリラ(牝 栗東・藤沢則雄 父ジャングルポケット、母プリンセススズカ)
 母は1勝馬で、近親にブラックエンブレム(08年秋華賞-GI)、ナリタセンチュリー(04年京都大賞典-GII、05年京都記念-GII)、ニシノナースコール(09年エンプレス盃-GII)などがいる。本馬は、2代父がトニービンで、2代母がプリンセスリーベなので、ナリタセンチュリー(父トニービン、母プリンセスリーベ)と血統構成がよく似ている。「ジャングルポケット×ジェイドロバリー」の組み合わせはNureyev≒Number 3×3という4分の3同血クロスが生じるのでおもしろい。コロナグラフ(準OP)も同じ組み合わせから誕生している。芝・ダート兼用の中距離馬だろう。

 ツルマルヒーロー(牡 栗東・西園正都 父ダンスインザダーク、母マチカネテマリウタ)
 半兄ダンツクリスエス(父シンボリクリスエス)は準OP馬。「ダンスインザダーク×フォーティナイナー」の組み合わせはインタータイヨウ(02年兵庫チャンピオンシップ-GIII)と同じ。ただ、こちらは母系の奥が芝向きなので、芝・ダート兼用タイプだろう。ダンスインザダークは基本的にRaise a Nativeと相性がいいのだが、本馬はそれに加えてFlower BowlとYour Hostの4分の3同血クロスを持つので悪くない。底力もありそうだ。

 テラコッタ(牝 栗東・河内洋 父アグネスタキオン、母シーリング)
 母シーリングはフランスで2勝。本馬の半姉に仏1000ギニー馬Torrestrella(父Orpen)がいる。「アグネスタキオン×Bering」といえばダノンベルベール(08年阪神ジュベナイルフィリーズ-GI・2着)と同じ。母系の奥には父と相性のいいヨーロッパのスタミナ血統が入り、Donatello=Domenico Ghirlandaio 7×6・7という全きょうだいクロスと、それを発展させたAlycidon≒ハイハット6×4があるので、底力の面でも不安がない。仕上がりは遅れたが大物感のある配合なので楽しみ。

 ドラゴンメッシュ(牡 美浦・久保田貴士 父クロフネ、母ファストフレンド)
 母ファストフレンドは帝王賞(GI)や東京大賞典(GI)など9つのダート重賞を制した女傑。繁殖成績もまずまずで、デビューした3頭はすべて勝ち上がり、なかでもフォーティファイド(父フォーティナイナー)はダート路線で出世して甲南S(準OP)を勝った。父クロフネは良血の繁殖牝馬と相性がいいので、兄と同じくダート路線で活躍しそうだ。1600〜1800mあたりがよさそう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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