【2歳】
オートフォーカス(牝 栗東・目野哲也 父アドマイヤドン、母キタノフラワー)
父アドマイヤドンは現役時代にダート王として君臨したが、種牡馬となってからは同様の地位にあったゴールドアリュールほどの成績は挙げていない。このあたりがサンデー系と非サンデー系の違いということなのだろうか。とはいえ、先週は産駒のトーセンアレスが伏竜S(3歳OP・ダ1800m)を勝ち、世代ナンバーワンを争う器であることをアピールした。本馬はトーセンアレスと同じく母系にNijinskyを持っている。全体的な構成も悪くない。ダートの中距離向き。
メジロマリシテン(牝 栗東・田島良保 父メジロベイリー、母メジロピカール)
父メジロベイリーは朝日杯3歳S(GI)の勝ち馬で、メジロブライト(天皇賞・春-GI)の半弟という良血。故障の影響で競走生活の末期は冴えない成績だった。種牡馬生活は青森でスタートしたが、08年にデビューした初年度産駒が2歳戦で下馬評以上の成績を収めたため、ビッグレッドファームにトレードされて翌09年から新冠で供用中。本馬の半兄には7戦3勝の好成績を挙げたメジロスカイレイ(父メジロブライト)がいるが、その父メジロブライトは本馬の父メジロベイリーの半兄なので、本馬とメジロスカイレイは配合構成の4分の3までが同一。期待できそうだ。
【3歳】
エイシンドーン(牝 栗東・中尾秀正 父タイキシャトル、母タイキガイア)
半兄は現1000万下のピースオブパワー(父フジキセキ)。母タイキガイアは1勝馬だが、その半弟にタイキエニグマ(根岸S-GIII・2着)、半兄にタイキパイソン(ガーネットS-OP)がいる良血で、近親に活躍馬多数。本馬は「タイキシャトル×Phone Trick」という組み合わせなので、ダートのマイラーとして活躍しそうだ。
サクラロザート(牝 美浦・谷原義明 父サクラプレジデント、母サクラバラダ)
母サクラバラダは1勝馬ながら、名牝系を形成しているアンブロジン(ノーリーズン、グレイトジャーニー、ロスマリヌスなどの母)の半妹にあたるので、ポテンシャルに期待できる。母の父Lion CavernはGone Westの全弟。その父はMr.Prospectorなので、厳密にいえばサクラバラダとアンブロジンは4分の3同血の関係にある。このサクラバラダにサンデー系をつけた本馬は、ざっくりいえばグレイトジャーニー、ロスマリヌスと似た配合。緻密な構成をしており悪くない。芝の中距離向き。
スペシャルグルーヴ(牝 美浦・奥平雅士 父スペシャルウィーク、母ソニックグルーヴ)
母ソニックグルーヴは不出走馬ながら、アドマイヤグルーヴの半妹、フォゲッタブル、ルーラーシップ、ポルトフィーノの半姉にあたる。その母は年度代表馬エアグルーヴ。「母の父フレンチデピュティ」は現在のところ素晴らしい成績を挙げており、とくに芝コースでは連対率31%。スズカコーズウェイ、ブレイクランアウト、アニメイトバイオなどの活躍馬が出ている。仕上がりは遅れたが配合的には楽しみが大きい。