仕上がりの早さだけではない、ディープの娘シュプリームギフト
【2歳】
◆シュプリームギフト(牝 栗東・池江泰郎 父ディープインパクト、母スーヴェニアギフト)
母スーヴェニアギフトはランダルースS(米G3・ダ6f)を勝ち、デルマーデビュターントS(米G1・ダ7f)で2着となった活躍馬。父ディープインパクトの母系にはしっかりとしたヨーロッパ型のスタミナが入っているので、スピード面をサポートするような配合が基本的に好ましい。本馬は母の父がMr.Prospector系なのでその点は問題なさそう。加えて、Pocahontas 5×6、Attica≒Dunce 6×6などを持ち、配合的なアクセントに富んでいる。調整が早く進んでいるため「ディープインパクト産駒のデビュー第1号か?」と話題に上っているが、決してそれだけの馬ではない。
◆ダンスインザスカイ(牝 栗東・梅田康雄 父ダンスインザダーク、母マッキーアイドル)
ダイヤモンドS(GIII・芝3400m)をレコード勝ちしたマッキーマックスとは4分の3同血にあたる。ダンスインザダーク産駒は、母系にディクタスとノーザンテーストを併せ持つ配合が高確率で成功を収めており、マッキーマックス以外にも、ツルマルボーイ(04年安田記念-GI)、チョウサン(07年毎日王冠-GII)などの活躍馬が出ている。確固たる配合的な裏付けがあるので、いずれ頭角を現してくるだろう。全兄アイウォントユーもムーニーバレーRC賞(3歳500万下)で2着と好走している。芝の中長距離タイプ。
◆メイショウテンカイ(牡 栗東・沖芳夫 父スウェプトオーヴァーボード、母アクセレラン)
母アクセレランは不出走馬。父スウェプトオーヴァーボードはサンデーサイレンス牝馬とニックスの関係にあったが、本馬の母の父はその息子アグネスタキオン。この組み合わせは、父にあるMy Babu≒Ambiorixを母の父にあるMy Babu≒Alcideによって継続するので悪くないだろう。母系の奥にはドイツ血統やRibot系が入るので重厚さもある。芝向きのマイラー。
◆メジロサンノウ(牡 美浦・大久保洋吉 父キングカメハメハ、母メジロダーリング)
母メジロダーリングはアイビスサマーダッシュ(GIII)、函館スプリントS(GIII)を勝ったスピード馬。これまでの産駒成績はもうひとつだが、本馬は悪くないと思われる。母系にRivermanを持つキングカメハメハ産駒はフィフスペトル、コスモセンサーと同じ。このパターンは成功している。マイル以下で活躍が期待できる。仕上がりは早く、ダート向きのパワーもありそうだ。
◆メジロダイボサツ(牡 美浦・大久保洋吉 父ディープインパクト、母メジロドーベル)
母メジロドーベルはオークス(GI)、エリザベス女王杯(GI)[2回]、秋華賞(GI)、阪神3歳牝馬S(GI)と5つのGIを制した名牝。繁殖牝馬としてはフェアリーS(GIII)4着のメジロオードリー(父スペシャルウィーク)を産んでいる。Hypericum≒Aureole 6×6という4分の3同血クロスはおもしろい。メジロドーベル産駒はスピード面に若干の不安を抱えており、体質面にも懸念が残る。この点さえクリアできれば重賞クラスまで出世してもおかしくない。