●オペラモーヴ(牝 栗東・中竹和也 父Johannesburg、母Mr.P's Princess)
昨年9月に米ケンタッキー州のキーンランドのセリにおいて25万ドル(約2250万円)で落札された。半兄に本邦輸入種牡馬のファスリエフ(通算5戦全勝でカルティエ賞最優秀2歳牡馬)、半姉にKamarinskaya(06年愛1000ギニートライアル-愛G3)がいる良血。父Johannesburgは2歳時に愛仏英米のG1を制し、欧・米双方の2歳チャンピオンに輝いた早熟の名馬。種牡馬としても2歳戦に強く、とくに新馬戦の成績は圧倒的(連対率60%)。早い時期から仕上がり、デビュー戦から能力を全開しそう。ローカルの短距離戦なら芝・ダートを問わず鉄板か。
●シゲルシャチョウ(牡 栗東・鶴留明雄 父キングカメハメハ、母ピサノロマン)
母ピサノロマンは1勝馬だが、その全兄にトップコマンダー(02年日経新春杯-GII)がいる。母系にMill Reefを持つキングカメハメハ産駒(つまりMill Reefクロスを持つ)には、ローズキングダム、アドマイヤテンクウなどの活躍馬がいる。本馬はこのパターン。母系にMill Reef、Lyphard、Hail to Reasonを併せ持つのでローズキングダムに構成が似ている。芝向きの中距離タイプ。
●チアフルアイズ(牝 栗東・池江泰郎 父ロックオブジブラルタル、母チアフルスマイル)
母チアフルスマイルは現役時代、断然人気のシーイズトウショウを差し切ってキーンランドC(GIII)を制した。2代母ゴールデンカラーズはクイーンC(GIII)2着馬で、3代母Winning Colorsは牝馬ながらケンタッキーダービー(米G1)を勝った女傑。なかなかの名牝系だ。父ロックオブジブラルタルは現役時代に「ザ・ロック」の愛称で親しまれ、ヨーロッパのマイル戦線を中心にG1を7連勝(世界新記録)するという偉業を成し遂げた名馬。今年の2歳世代が日本におけるファーストクロップ。芝向きのマイラーで仕上がりは早い。
●ホーマンフリップ(牝 栗東・安田隆行 父フジキセキ、母レーゲンボーゲン)
半姉アニメイトバイオ(父ゼンノロブロイ)は阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)2着、京王杯2歳S(GII)2着。姉の父も本馬の父もサンデーサイレンス系なので、姉とは4分の3まで血統構成が同じ。“母の父フレンチデピュティ”は現在のところよく走っており、とくに芝連対率は28%と優秀。フレンチデピュティ牝馬から誕生した馬には今後も注目していきたい。姉が走っている本馬は期待できる。芝向きのマイラー。
●マリア(牝 栗東・中竹和也 父ディープインパクト、母チアズフィアレス)
母チアズフィアレスは未勝利馬(1戦0勝)だが、その半姉に桜花賞馬チアズグレイス、共同通信杯(GIII)と毎日杯(GIII)を勝ったチアズシュタルクがいる良血。「ディープインパクト×フォーティナイナー」の組み合わせは、Mr.Prospector系のスピードを導入し、さらにPocahontas 5×5の牝馬クロスが生じるので悪くない。ディープインパクトの母の父の母Lady Rebeccaは、ディープ産駒の配合を考える上でひとつのポイントになるのでは、と思われるので、ここに含まれるPocahontasのクロスは好感が持てる。ただ、一方で生じるLyphardクロスがどう出るか。このクロスはあまり成功例がない。芝向きのマイラー〜中距離馬。