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1億2500万円の高馬、ディープ産駒アドマイヤカーリン

  • 2010年05月11日(火) 00時00分
●アドマイヤカーリン(牡 栗東・松田博資 父ディープインパクト、母スプリットザナイト)
 セレクトセールで1億2500万円の値がついた高馬。日経新春杯(GII)などを勝ち有馬記念(GI)でも2着となったアドマイヤモナーク(父ドリームウェル)の半弟にあたる。Halo≒Sir Ivor≒Drone 3・5×4という大胆な配合。このトリプルのクロスはキングヘイローに似ている。ただ、サウンドを起点するこの牝系は、過去に何度もサンデー系と交配されているがイマイチな成績。懸念はこの点だけ。

●アドマイヤセプター(牝 栗東・橋田満 父キングカメハメハ、母アドマイヤグルーヴ)
 母アドマイヤグルーヴ(エリザベス女王杯・2回-GI)、2代母エアグルーヴ(年度代表馬)、3代母ダイナカール(オークス)という超良血。近親にもフォゲッタブル(ステイヤーズS-GII)など活躍馬多数。「キンカメ×サンデー×トニービン×ノーザンテースト」なのでミッキードリーム(毎日杯-GIII・2着)の配合と酷似している。

●アフロディーテ(牝 美浦・藤沢和雄 父アグネスタキオン、母レディブロンド)
 母レディブロンドは名馬ディープインパクトの半姉で、現役時代は6戦5勝。スプリンターズS(GI)で4着という成績がある。半姉ラドラーダ(父シンボリクリスエス)は現OP。リルダヴァル、ダノンパッションと同じく「父アグネスタキオン、母の父ミスタープロスペクター系、祖母ウインドインハーヘア」という配合。確実に走りそうではあるが、脚もとに懸念を抱かせる血統でもある。

●オーヴェルニュ(牡 美浦・奥平雅士 父アグネスタキオン、母オーベルゲイド)
 母はファビラスラフインと逆配合(Kaldoun×Fabulous Dancer)。ファビラスの子で唯一見込みのあったアグレアブルは父アグネスタキオンだったので、それと配合が近い。また、父と相性のいいジムフレンチが母系の奥に入り、Blue Swords=Bluehaze 6×6の全きょうだいクロスが生じる。全姉プラチナベールは未勝利馬だったが、配合はいいので期待してみたい。

●キングジャズ(牡 美浦・二ノ宮敬宇 父キングカメハメハ、母ポップコーンジャズ)
 母ポップコーンジャズはオークス6着馬。「キンカメ×ダンスインザダーク」はショウリュウムーン(チューリップ賞-GIII)と同じ。母系の奥にトニービン、リアルシャダイといったスタミナが入るので、2400mも苦にしないだろう。

●クリアンサス(牝 栗東・松永幹夫 父Redoute's Choice、母フラワーパーク)
 母フラワーパークは高松宮杯(GI)、スプリンターズS(GI)を制し、JRA賞最優秀短距離馬に選ばれた快速馬。繁殖牝馬としては毎日杯(GIII)4着のフィレンツェ(父サンデーサイレンス)を送り出した程度でもうひとつだが、本馬の父Redoute's Choiceはオーストラリアのリーディングサイアーに輝いた快速種牡馬なので、どんなタイプの競走馬となるか興味深い。

●サニーサファイア(牝 栗東・橋口弘次郎 父ネオユニヴァース、母スプリングコート)
 母スプリングコートはサクラバクシンオーの半妹にあたる良血。半兄コンドルクエスト(父エルコンドルパサー)はスプリングS(GII)6着馬。「ネオユニヴァース×トニービン×ノーザンテースト」はネオヴァンドーム(きさらぎ賞-GIII)、トーセンファントム(東京スポーツ杯2歳SーGIII・2着)と同じ。このパターンは注目したい。

●シスターソフィア(牝 美浦・松山康久 父ディープインパクト、母トラップファミリー)
 エルコンドルパサーを創った渡辺隆さんの新作。Burghclere 3×4、その母 Highclere 4×4・5という強烈な牝馬クロスを持っており、「Burghclere≒Height of Fashion 3×3・4の4分の3同血クロス」と表現してもいい。まさにエルコンドルパサーを彷彿させるような配合構造。イチかバチかという大胆な配合で、当たればホームランだろう。

●ジョイライド(牡 栗東・荒川義之 父サクラバクシンオー、母グレイトサンライズ)
 半姉レッドディザイアは秋華賞(GI)とマクトゥームチャレンジラウンド3(首G2)を勝ち、桜花賞(GI)とオークス(GI)で2着となった名牝。本馬の父サクラバクシンオーはNijinskyとニックスの関係にあるので、母の父にCaerleon(その父Nijinsky)を持つ本馬はよさそうだ。

●ミラグロッサ(牝 栗東・松田博資 父フジキセキ、母グレースランド)
 全兄にドリームパスポート(神戸新聞杯-GII、きさらぎ賞-GIII)がいる。母グレースランドはステイゴールド(香港ヴァーズ-G1、ドバイシーマクラシック-G2)の半妹、レクレドール(ローズS-GII、クイーンS-GIII)の半姉にあたる良血。「フジキセキ×トニービン」の組み合わせからは、ドリームパスポートのほかにアルティマトゥーレ、フィールドベアー、ユメノシルシ、ウェディングフジコなどの活躍馬が出ている。兄同様の活躍を期待したい。

●ラプリメーラ(牝 栗東・沖芳夫 父アグネスタキオン、母ベストアルバム)
 母ベストアルバムはローズS(GII)3着馬。メジロライアン産駒にしてはいい切れ味を持っていた。Alcide≒パラディシア5×5は非常におもしろく、Halo≒Sir Ivor 3×5などもある。芝中距離タイプで大物感あり。

●ラロメリア(牡 美浦・久保田貴士 父キングカメハメハ、母ファインセラ)
 母ファインセラはアドマイヤジャパン(京成杯-GIII)の全姉、ブエナビスタ(桜花賞-GI、オークス-GI)の半姉にあたる良血。繁殖牝馬として期待される存在で、これが初子となる。母系にNijinskyを持つキングカメハメハ産駒は好成績を挙げている。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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