昨年は59kgが辛かろうと軽視したマンオブパーサーが2着に入って取り逃した川崎マイラーズ。今年も牡馬換算で59kgに相当する斤量を背負うユキチャンが大きなポイントとなりそうだ。
さてそのユキチャン。1600mは2回走って前走の3着が最高成績。その3着だった前走は、軽度とはいえ発熱でエンプレス杯を回避したあとの一戦。それでも交流重賞としてはかなり手薄なメンバーでのものだから(南関出走馬が2頭しかおらず、東海&高知から計7頭が遠征)、額面どおりの評価は微妙だろう。今回は順調に調整して上昇必至とはいえ、これまでの連対はすべて6番枠より外という外枠ハンターだけに、全幅の信頼は置きにくいと考える。ユキチャンのファンはとても多くて、この馬の活躍が南関の盛り上がりに直結するだけに後ろ髪は引かれるのだが、ここは心を鬼にして3着厚めのマークで攻めてみたい。
となると逆転候補は誰か。前身のスパーキングナイトチャレンジ(JRA交流の準重賞)を含めた過去データを参照すると、「3走前までに川崎のマイル戦で勝っていた」馬が、毎年3着以内に入っていた。ちなみにJRA勢のワンツーだった2007年以外は毎年連対。となると、該当馬はイーグルショウとブライトフェースだけとなる。
いずれも魅力ある昇り馬だが、イーグルショウは2走前の東京スプリング盃で、重の外枠という不利な条件ながら3着に好走。前走のA2級の準重賞を完勝しており、格付け的には条件級でも互角以上といえるだろう。昨年のノースダンデーもこんな感じの勢いがあった。
続いてブライトフェースも前走の川崎・A2級戦を快勝。首をうまく使った前のカキコミが鋭いタイプで、追い出すと脚の回転が早くなるところは川崎向き。ポテンシャル的には重賞でも戦えるだけのものがあると推察できる。今回手綱を握る松岡正海騎手は「地方競馬では前に行くことをより意識している」という騎乗をするはずで、今回も激しくなりそうな先団争いの直後でレースを進めることだろう。
その2頭には魅力があるが、実績馬も出走する川崎マイラーズ。クレイアートビュンをノーマークするのには勇気がいる。川崎では2回出走して、条件級の5着と報知オールスターCの4着という成績だが、9戦して3着内率100%というマイル戦なら話は別。適鞍がないために間隔があいたのは微妙だが、今回も上位が視野に入るのは当然だ。
あと実績馬といえばスーパーヴィグラスだが、大井以外で走るのが初めてな上に、この距離も多少長い感。人気になるなら無印でいくほうに妙味を感じる。
穴として押さえたいのがヴァイタルシーズ。2走前のマイルグランプリは体調のよさとヤル気を前面に出していて思わず馬券(複勝ですが……)を買ったものだが、前走の房の国オープンでも変わらぬデキ。今回も好調キープを期待して、連下に少し押さえておきたい。
◎イーグルショウ
○ブライトフェース
▲ユキチャン
△クレイアートビュン
△ヴァイタルシーズ