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GIで大仕事を期待、フサイチホウオーとトールポピーの全妹アヴェンチュラ

  • 2010年05月18日(火) 00時00分
●ヴェイロン(牡 栗東・松永幹夫 父キングカメハメハ、母ヘヴンリーロマンス)
 母ヘヴンリーロマンスは、牝馬ながら天皇賞・秋(GI)を制したほか、札幌記念(GII)、阪神牝馬S(GII)を勝った名牝。本馬の父キングカメハメハは、Nureyevを含んでいるので、母系にSadler's Wellsが入ると、Nureyev≒Sadler's Wellsの4分の3同血クロスが生じる。Kingmambo系の名馬は、エルコンドルパサーをはじめこのクロスから誕生するケースが多いのだが、父がキングカメハメハの場合、現状では芝向きの伸びやかさに欠けるタイプが目につく。本馬の全兄コードゼットには母ヘヴンリーロマンスの瞬発力が伝わっていなかった。兄弟でも違ったタイプが生まれることもあるので期待したい。

●ジューノエスク(牝 栗東・松永幹夫 父Elusive Quality、母Love Walked In)
 2代母Phone ChatterはブリーダーズCジュヴェナイルフィリーズ(G1)などを制し、米2歳牝馬チャンピオンに選ばれた名牝。これに米チャンピオンサイアーのStorm Catを掛けて母Love Walked Inが誕生した。父Elusive QualityはGone West系で、現役時代に芝8ハロンで1分31秒6の世界レコード(当時)を樹立。種牡馬としては成功し、04年にはSmarty Jones(ケンタッキーダービー-米G1、プリークネスS-米G1)の活躍により米チャンピオンサイアーに輝いた。本質的にはダート向きと思えるが、ローカルの短距離なら芝でも走れるだろう。

●アヴェンチュラ(牝 栗東・角居勝彦 父ジャングルポケット、母アドマイヤサンデー)
 全兄フサイチホウオーはラジオNIKKEI杯2歳S(GIII)など3つの重賞を制し、全姉トールポピーはオークス(GI)と阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)の勝ち馬。「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」はニックスで、フサイチホウオーとトールポピーのほかに、ジャガーメイル、アプリコットフィズ、トーセンキャプテンといった活躍馬が出ている。Hornbeam≒Sunset 4×5を持つ名配合だけに再現性が高いと思われる。フサイチホウオーとトールポピー同様、高い能力を発揮するはず。

●ネコチーター(牝 美浦・星野忍 父トワイニング、母リンデンマイヒメ)
 「トワイニング×サンデーサイレンス」の組み合わせは、ロールオブザダイス、フサイチアソート、カツヨトワイニングなどを出しているニックス。連対率は24.6%と高い。母の父にサンデーを持たないトワイニング産駒は連対率13.5%なので倍近い開きがある。トワイニング産駒は母の父にサンデーを持つものを選ぶのが鉄則だ。この配合は2歳戦に強く、この条件では連対率36.4%。POG向きだ。本馬は芝・ダート兼用タイプだろう。

●ヤマイチシキブ(牝 栗東・佐山優 父ブライアンズタイム、母サクセスアルデンテ)
 母サクセスアルデンテはエーデルワイス賞(GIII)5着馬。その兄弟にはサクセスビューティ(02年フィリーズレビュー-GII)、甥にはサクセスブロッケン(09年フェブラリーS-GI、09年東京大賞典-GI、08年ジャパンダートダービー-GI)がいる。本馬は「ブライアンズタイム×エルコンドルパサー」でGraustark=His Majesty 3×5。パワーにあふれた配合なのでダートでおもしろい。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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