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新たな馬券、新たな喚声

  • 2002年06月27日(木) 00時00分
 どこの競馬場にもあるターフビジョンが初めて設置されたのが1984年、東京競馬場でした。あれ以来、この大型映像ディスプレイ装置は、すっかり競馬場の顔としておさまっています。ここに映し出されるレースの成り行きに一喜一憂、それが喚声になり、歓声となり、スタンドの気持を素直にあらわしてきました。

 新種馬券が先行発売されている福島競馬場は、このターフビジョンに映るゴール前に、これまでになかった反応がみられるようになりました。

 馬単、3連複ともかなりの人気で、特にどこよりも競馬好きを自認する土地柄、他より妙味のある馬券の売り上げは、期待どおりのシェアを占めています。

 まず、馬単は、最終的にはどっちが勝つかどうかのシーンもあって最後まで油断なく応援しなければなりません。大きな声が出るのは、これまで以上であって当り前です。

 それが、3連複のための声援が加わるのでさらにスケールアップしているのです。

 いくら着順どおりでなくてもいいと言っても、上位3頭を選択するのは容易ではありません。直線に入って、まず2頭は大丈夫となれば、次なるもう一頭を捜します。あとひとハロンというところで、安全圏というケースは少なく、あと一頭をめぐってハラハラするシーンがターフビジョンに。当然、声援はこれまでよりずっと長く続くことになります。

 58万円もつけた福島テレビOPでは、12番人気のダイワジアンが直線先頭に立ったところで波乱の胸さわぎがし、2番人気ジェミードレスが猛然と追い込んだところで声援がと、ここまでは普通でしたが、3番手に内の狭いところから14番人気マイネルレグナムが伸びてくる姿がターフビジョンにVTRで再生されると、大穴予感のどよめくような喚声が上がりました。新種馬券、間違いなく、スタンドは活気づいています。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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