●ヴィクトリースター(牡 栗東・池江泰郎 父ディープインパクト、母ヴィクトリークライ)
　半姉ヴィクトリーマーチ(父アグネスタキオン)はエルフィンS(OP)2着馬。母ヴィクトリークライはヴィシー大賞典(仏G3)の勝ち馬で、その全妹にVolga(EPテイラーS-加G1)、半妹にVallee Enchantee(香港ヴァーズ-香G1)と2頭のG1馬がいる。この3頭を産んだVerveineはオペラ賞(仏G2)の勝ち馬。同馬が繁殖牝馬としてのズバ抜けた実績を残したのは、Lt. Stevens＝Thong 3×4という全きょうだいクロスに秘密があると思われる。この影響力は孫世代の本馬にも伝わっているだろう。ディープインパクトとCaerleonの組み合わせは悪くないと思われる。芝向きの中距離馬で大物感あり。

●エンドレスノヴェル(牝 美浦・古賀史生 父ダンスインザダーク、母サーガノヴェル)
　母サーガノヴェルは、フェアリーS(GIII)とクリスタルC(GIII)を制した早熟のスピード馬。繁殖牝馬としては2頭の産駒を競馬場に送り込んでいるが、初子のアスフォデル(父サクラバクシンオー)は地方未勝利馬、2番子のレジスタンス(父クロフネ)は中央未勝利馬。まだ母の素質を受け継ぐ子は出ていない。初めてサンデー系種牡馬を交配して誕生した本馬は、ひと味違うタイプに出る可能性がある。父がダンスインザダークであってもマイル前後がいいタイプだろう。

●クィーンオブライフ(牝 栗東・音無秀孝 父タイキシャトル、母シネマライフ)
　母シネマライフは繁殖牝馬としてまずまずの成績で、これまでにクィーンオブキネマ(スパーキングレディーC-2着)や、東海公営でトップクラスの実力を示したマサアンビションなどを産んでいる。本馬はクィーンオブキネマの全妹。タイキシャトル産駒のNijinskyクロスは無難に成功している。全体的に力強い血で構成されているので、やはり姉同様ダートが主戦場となりそう。

●ヒラボクインパクト(牡 美浦・国枝栄 父ディープインパクト、母ドリームカムカム)
　母ドリームカムカムはマイル以下で堅実な成績を残し、芝1200mのOP特別を3勝したほか、シルクロードS(GIII)で5着となった。母の父がメジロライアンなのでスピード面の心配がつきまとうが、この馬に関してはそれほど心配いらないかもしれない。Hypericum≒Aureole 6×6は期待が持てる。2代母の父LomondはSeattle Slewの半弟で、その母My CharmerにはLa Troienne血脈の凝縮がある。こうした血が入るのも好感が持てる。芝1600〜2000mあたりで本領を発揮しそう。

●モスカートローザ(牝 栗東・池江泰寿 父ディープインパクト、母ローザロバータ)
　スプリングS(GII)を勝ったフライングアップルの半妹。同馬の父Rahyには近い世代にHaloが含まれているので、本馬の父ディープインパクトとやや共通する部分もある。母ローザロバータはRaise a Native 3×3。父の母ウインドインハーヘアがヨーロッパ血統主体なので、こうしたアメリカ血統のきついクロスは案外悪くなさそう。Pocahontas 5×6にも注目したい。芝向きの中距離タイプ。