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速攻系として信頼性が高いローザディアマント

  • 2010年06月01日(火) 16時00分
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●エイシンモンジュー(牡 栗東・西園正都 父Montjeu、母Santa Catarina)
 昨年9月、米ケンタッキー州キーンランドのセールで平井豊光氏が21万ドルで落札した。母Santa Catarinaはハリウッドオークス(米G2)の勝ち馬で、ケンタッキーオークス(米G1)など3つのG1で2着となっている。これにSadler's Wells系の凱旋門賞馬Montjeuを交配して誕生したのが本馬。父はスタミナと底力に関しては高いレベルにあるものの、軽快なスピードに欠けるので、日本にやってきた産駒は鈍重なタイプが目に付く。したがって、アメリカのスピード血統で構成された母は交配相手として悪くない。母方の血がややパワー方向に傾いているので、ダートで本領を発揮しそうだ。

●エスタンシア(牡 栗東・鶴留明雄 父ゼンノロブロイ、母ラピカラ)
 母ラピカラは、南米チリからの輸入馬で、現役時代に同国のG3を勝った。母系の奥に豊富な南米血統を抱えている。父がゼンノロブロイで母が南米血統といえば青葉賞(GII)を勝ったペルーサを思い出す。ゼンノロブロイはアメリカ血統過多といった感があり、基本的にヨーロッパ血脈と相性がいい。伝統的な南米血統はスタミナ型のヨーロッパ血統をベースとしているので、ゼンノロブロイとフィットするのだろう。二匹目のドジョウを狙いたい。

●コウエイキング(牡 栗東・川村禎彦 父ゼンノロブロイ、母ザッツザウェイ)
 母は未勝利馬だが、近親にタスカータソルテ、ネオヴァンドームなどがいる。母系にSadler's Wellsを持つゼンノロブロイ産駒にはコスモネモシン(フェアリーS-GIII)が、トニービンを持つ同産駒にはハートビートソング(青葉賞3着)やギンザボナンザ(アネモネS-OP)がいる。いずれも実績のある配合パターンだ。芝中距離で活躍しそう。

●ベッラミーア(牝 栗東・橋口弘次郎 父ダンスインザダーク、母クイーンリザーブ)
 「ダンスインザダーク×Miswaki」という組み合わせはザッツザプレンティ、マルカフェニックスなどが出現したニックス。Dinner Partner≒Buckpasser 5×4のほか、ダンスインザダークの3代母Native Partnerが持つRaise You≒Bluehaze 2×2を、Raise a Native 5×4で発展継続させていることが両者の相性のよさの核心だろう。全姉ラベはフィリーズレビュー(GII)4着馬。本馬にはそれ以上の出世を期待したい。

●ローザディアマント(牝 栗東・羽月友彦 父スペシャルウィーク、母ピンクガーター)
 母系にStorm Catを持つスペシャルウィーク産駒には、オースミダイドウ、ダイレクトキャッチ、ダンツクインビー、タガノエリザベート、ラナンキュラス、モズなど多数の活躍馬がいる。明らかなニックスといえるだろう。母ピンクガーターは3勝を挙げたスピード馬。いかにも仕上がりが早いスプリンター~マイラーで、速攻系としては信頼性が高いのではないかと思う。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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