スマートフォン版へ

マンハッタンカフェの成功パターンに合致、カフェラピード

  • 2010年06月08日(火) 12時00分
●エーシンジャッカル(牡 栗東・野元昭 父フジキセキ、母エイシンリョンサン)
 半兄エイシンセイテン(父エイシンサンディ)はバイオレットS(OP・ダ1400m)の勝ち馬。「フジキセキ×アフリート」という組み合わせはムーンシャイン(準OP)と同じ。フジキセキ産駒は母系にMr.Prospectorを持つ配合から多くの重賞勝ち馬が出ている。同じフジキセキ産駒で母方の3代目にMr.ProspectorとVice Regentが並ぶ配合はカネヒキリと同じ。マイル前後のダートが良さそうだ。

●カフェラピード(牡 美浦・松山康久 父マンハッタンカフェ、母シンメイミネルバ)
 半姉ミネルバサウンドはダートで準OPまで出世した。従兄弟に現OPのシルポートがいる。マンハッタンカフェ産駒はCaerleonと相性がよく、また、NijinskyとMr.Prospectorを併せ持つ繁殖牝馬とも好結果を残している。本馬はこの双方のパターンに当てはまるので期待できる。芝・ダート兼用のマイラー〜中距離馬。

●サイレントソニック(牝 美浦・国枝栄 父ディープインパクト、母ムーンライトガーデンズ)
 半姉ビタースウィート(父Afleet Alex)は現3歳で2勝を挙げている(いずれもダート)。母ムーンライトガーデンズは Mr.Prospector=Search for Gold 4×3・4で、全体的にパワー型の血が多く含まれているが、配合構成そのものは悪くない。父の柔らかさと母のパワーがうまくマッチすれば楽しみ。

●スーサングレート(牡 栗東・鈴木孝志 父キングカメハメハ、母ヴァレリー)
 半兄サンヴァレー(父ウイニングチケット)は軽快な逃げ脚を武器に共同通信杯(GIII)2着などの成績を残した。「キングカメハメハ×サンデーサイレンス+Tourbillon 血脈」という構成は、ローズキングダム、ゴールデンチケット、アドマイヤテンクウなど成功しており、似た構造の本馬は期待できそう。半兄サンヴァレーは気性的に難しい馬だったので、そうした点が伝わっていなければおもしろい。

●ミヤビノタイヨウ(牡 栗東・谷潔 父スズノミヤビオー、母スズノマーガレット)
 珍しい宮崎産馬。父スズノミヤビオーはバンブーアトラス産駒で、愛知杯(GIII)8着などの成績がある。母スズノマーガレットは地方出走馬。母の父バンブービギンは菊花賞馬で種牡馬としては成功しなかった。マイナー血統だけで構成された馬ながら配合は目をひく。バンブーアトラス2×3、フィリップオブスペイン3×3は強烈。どんな馬なのか興味がある。

●ラショウモン(牡 美浦・相沢郁 父スニッツェル、母ベリンベルノ)
 母ベリンベルノは現役時代にダ1700〜1800mで2勝を挙げた。「ジェネラス×Montelimar×Blakeney」という重厚なスタミナ血統なので、スピードや俊敏さに欠けるところがあった。しかし、こうしたタイプの繁殖牝馬は、スニッツェルのような快速タイプの種牡馬と合うかもしれない。スニッツェルは現役時代にオークレイプレート(豪G1・芝1100m)など4つの重賞を制した名スプリンター。その父Redoute's Choiceはオーストラリアでリーディングサイアーとなったスピード型の種牡馬。距離はマイルあたりまでこなせそう。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング