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あえて進まないことも立派な決断

  • 2010年06月17日(木) 00時00分
 結果は最初からわかっている、決していいことにはならないんだと、こんな気分のときがある。夢のかたまりがあまりにも重くてどう仕様もないという状況、こういうときによく訪れる。思い通りにならないことが重なると、この堂々巡りに陥るのだ。
 
 深く考えても駄目と、その度に教えられてきたのだが、それと同時に、適当な気分転換の重要さも知った。ちょっとひと休み、一休さんの心持ちだ。慌てない慌てない、ひと休みひと休みと。これ、なかなかですぞ。
 
 とにかく、苦々しさは洗い落とすにかぎるで、それには気分転換が一番ということ。
 
 それも下手に動かない、あえて進まないことも立派な決断なんだと心して対処すべきだろう。同じ勇気でも、一旦止まるのも勇気で、これによって身を活かすこともあると、かの老子の教えがある。では、どういうのがいけないのか。それは、希望的観測、これだろう。なにごとでも自分の都合のいいように解釈し、そうでないものには目をつぶってしまうこと、よくある。余裕のあるうちは勢いにのって攻めてもいいのだが、追いつめられているときには、この希望的観測は大きな墓穴を掘っていく。これまで、どれだけ辛酸を嘗めてきたことか。決断を下すといってもマイナスばかりでは仕方がない。袋小路に入ったと思ったら、スパッと止める決断をする。このひと休みが生み出すもの、いや、そう無理矢理でなく自然に生じてくる運気を、とにかく待つのがいいのだ。妙な思い込みをしていないか、もしそうだったらそれを排除する。
 
 目先の利益につられないこと、固定観念に縛られてはいないか、自分を過信して対象をなめてはいないか、確かな決断を下すために気をつける事柄は、すべからく、生きていくための知恵になる。それには、虚心坦懐な心境にあるかどうかだろう。幸運は向こうから歩いてくる。すれ違うときに、しっかりキャッチしよう。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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