●キングファルコン(牡 栗東・鮫島一歩 父キングヘイロー、母グリタリングフラワ)
　半兄キングトップガン(父マヤノトップガン)は芝・ダート兼用タイプでOPまで出世し、目黒記念(GII)6着などの成績を残した。本馬の父はキングヘイローなので距離適性はもう少し短めで1800mあたりがベスト。母系にマルゼンスキーを入れて Squander≒シルという相似な血のクロスを作るパターンはローレルゲレイロと同じ。血統背景は地味ながらいいところがありそう。

●タイセイファントム(牡 栗東・矢作芳人 父ファンタスティックライト、母タイキシャレード)
　父ファンタスティックライトは現役時代、ブリーダーズCターフ(米G1)をコースレコードで勝つなど、欧・米・アジアを問わずG1を勝ちまくった名馬。ジャパンC(GI)でも僅差の3着と健闘している。ただ、種牡馬としてはスピードを伝えることができずに苦戦している。近い世代にHalo、Nijinsky、Key to the Mintを併せ持つ配合はダンスインザダークと同じ。サンデーを父を持つダンスでさえ素軽さという点ではイマイチなので、ファンタスティックライトはスピードを増す方向で配合的な工夫をしないと苦しいだろう。本馬は、母タイキシャレードがタイキフォーチュン、タイキダイヤ、タイキリオン(いずれも重賞を勝ったスピード馬)の半妹にあたる良血で、「Boundary×Miswaki」というスピード豊かな組み合わせなので楽しめるかもしれない。

●トーセンプリンセス(牝 美浦・鈴木康弘 父フジキセキ、母プリンセスカット)
　半兄ネオヴァンドーム(父ネオユニヴァース)はきさらぎ賞(GIII)の勝ち馬。母プリンセスカットはジェミードレス(02年府中牝馬S-GIII・2着)の全妹で、タスカータソルテ(重賞3勝)、テイラーバートン(重賞3着)の全兄妹と4分の3同血の関係にある。「フジキセキ×トニービン」はドリームパスポート、アルティマトゥーレ、ユメノシルシなど多くの活躍馬が出ている組み合わせ。芝中距離向きで、ローカル戦も得意だろう。

●ピエナノテツジン(牡 栗東・藤沢則雄 父マンハッタンカフェ、母ロイヤルリフ)
　「マンハッタンカフェ×Kingmambo」は、ダイワバーバリアン(10年NHKマイルC-GI・2着)、アントニオバローズ(09年シンザン記念-GIII、09年日本ダービー-GI・3着)などが出ているニックス。本馬の2代母の父Rahyもマンハッタンカフェと相性がよく、この組み合わせからメイショウクオリア(08年京都新聞杯-GII)、サンディエゴシチー(09年札幌2歳S-GIII)などが出ている。成功パターンを重ねれば即成功するというものでもないが、楽しみの大きな配合であるのは確か。

●マギストラ(牝 栗東・平田修 父ディープインパクト、母マンファス)
　母マンファスは、アメリカ時代にThe Deputy(00年サンタアニタダービー-米G1)、日本にやってきてからキングカメハメハ(04年日本ダービー-GI、04年NHKマイルC-GI)とレースパイロット(05年フローラS-GII・2着)を送り出した名繁殖牝馬。ただ、ここ数年は期待に見合う産駒は出していない。ディープインパクトを父に持つ本馬は、育成で評判に挙がっている1頭。トライマイベストのような La Troienne 牝系を背景に持つアメリカ血統を入れるのは、ディープインパクト産駒の配合として悪くないだろう。芝向きの中距離タイプ。