高い確率で走りそう、バトードールと同配合のシルバーフォックス
●ウエストハーバー(牡 栗東・中竹和也 父Mr.Greeley、母Harbor Springs)
昨年9月に米キーンランドのセールで落札された。価格は16万ドル(当時のレートで約1500万円)。半兄ボストンハーバーはブリーダーズCジュヴェナイル(米G1)の勝ち馬で、米2歳牡馬チャンピオンに選出された。父Mr.GreeleyはMr.Prospector系で、現役時代はアメリカでG3を3勝。BCスプリント(米G1)では2着と健闘している。仕上がりの早いマイラー型の種牡馬として成功しており、日本では新馬初戦で連対率37.5%という好成績。本馬はいかにも2歳戦に強そうな配合で、とくにローカルで持ち味を発揮しそう。初戦から注目したい。
●エパティック(牝 美浦・堀宣行 父ディープインパクト、母スカイアライアンス)
母スカイアライアンスはナタルマS(加G3)など12戦2勝の成績を残した。本馬の半兄アフィリエイト(父Gone West)は短距離戦で2勝。母の父Sky Classicは、父としても母の父としてもやや実績に乏しい。ただ、相性のいいNijinskyとMr.Prospectorの組み合わせを持つ母はバランスのとれた好配合馬で、自身はPocahontas 5×5という牝馬クロスを持つ。このクロスは父ディープインパクトの配合で好結果を生むのではないかと思われる。芝向きの中距離タイプ。
●シルバーフォックス(牝 栗東・松田国英 父クロフネ、母ビーポジティブ)
セレクトセール2008で8000万円の値が付いた高馬。母ビーポジティブはクイーン賞(交流GIII)の勝ち馬で、トゥザヴィクトリー(エリザベス女王杯-GI)、サイレントディール(武蔵野S-GIII)の全兄弟にあたる良血。父がクロフネで、母がトゥザヴィクトリー&サイレントディールの全兄弟といえばバトードール(ユニコーンS-GIII・2着)の名前が挙がる。2頭は母同士が全兄弟なのでまったく同じ血統構成だ。おそらくダート向きと思われるが、牝馬特有の柔らかみがあれば芝もこなせないことはないだろう。高い確率で走りそうだ。
●テラノイーグル(牡 栗東・松永幹夫 父フジキセキ、母パテントリークリア)
母パテントリークリアはすでに、タイキフォーチュン(NHKマイルC-GI)、タイキダイヤ(クリスタルC-GIII)、タイキリオン(ニュージーランドT-GII)と3頭の重賞ウィナーを送り出している。母が20歳時の産駒、という点がやや引っ掛かるが、母方にMr.Prospectorを持つフジキセキ産駒は無難に好結果を残しており、配合構成は良好。新馬戦に強い血統なので初戦に注目したい。芝向きのマイラー。
●トーセンケイトゥー(牡 栗東・角居勝彦 父ハーツクライ、母ファイナルデスティネーション)
母ファイナルデスティネーションはニュージーランド1000ギニー(G1)など同国でG1を2勝した名牝。その父O'Reillyはラストタイクーン産駒で、ニュージーランド年度代表馬に輝いた快速馬。これにGone Westを交配してダノンムロー(07年ファルコンS-GIII・4着)が、Fusaichi Pegasusを交配してファイナルスコアー(現OP)が生まれた。本馬の父ハーツクライは、現役時代にドバイシーマクラシック(首G1)、有馬記念(GI)などを制し、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1)でも3着となった名馬。今年の2歳世代が初年度産駒となる。不安点は仕上がりの早さとスピードなので、この点を補うことができるこの母は悪くない相手だ。芝向きのマイラー。