人の上に立つ人物、リーダーの資質とはと問われたら、どう答えるだろう。なにがしかそういう状況に追い込まれることが、長い人生、たまにはある。
ここで頭に浮かぶのが「弘毅」ーこうきという言葉。その昔、論語を諳んじたときにあった「士は以て弘毅ならざるべからず」の中に出てきた。
ここでいう士とは、人の上に立つ人ぐらいの意味で、そういう人は弘毅でなければならないと教えている。この弘毅の弘は広い視野と捉え、毅は強い、それも意志が強いということだから、人の上に立つ人は広い視野と強い意志力を持たねばならないとなる。
これは、人の上に立たなくともそうあった方がいいことでもあるから、日々の暮らしの中でも応用したい。
様々なケースを想定しておく広い視野、そうと決めたら揺るがない強い意志。身近なところでは、競馬に立ち向かうときの姿勢のあり方に通じる。色々ある選択肢の中からどれを選ぶか。広い視野があれば、そのどれかの中に正解がある。そして、こうと決めたら揺るぎない意志力を発揮し、決断するのだ。
競馬ほど、これがはっきり見えるものも少ない。それも1日に何回も挑めるし、やり直しも可能で修正もできる。
この広い視野は、多くのことに関心を示さないことには持てないし、どれだけ知っているかに通じる。それによって、確かな見通しも立てられる。それと、強い意志は、ここが正念場というときに、特に求められる。乗り越えるための強い意志、これは欠かせない。
これを実に何回もやっているのが競馬なのだから、いい加減に競馬とつき合ってはいけない。競馬がどうもうまくいかないと感じたら、嘆くより気持ちを入れ替えることに気持ちを向けるべきなのだ。人の上に立つ人物の資質がなんであるかが、この競馬の中に答えがあるとは、今更ながら驚きである。