●キョウワジャンヌ(牝 栗東・飯田明弘 父ハーツクライ、母アサカフジ)
半兄キョウワロアリング(父サンデーサイレンス)は北九州記念(GIII)を勝ち、半姉ヘイローフジ(父キングヘイロー)は京阪杯(GIII)で3着となった。母はBuckpasser 3×3で、Mr.ProspectorとNijinskyを併せ持つのでしっかりとしたスピードを伝えている。父ハーツクライは鋭いスピードがあるわけではなく、仕上がりが早いタイプでもない。したがって、スピード豊かなアメリカ血統は足りないものを補う意味で好ましい。これまでに勝ち上がったバラードソング、ウインバリアシオンの2頭はいずれもそうした配合パターンだった。芝向きのマイラー。
●ダイワベルベ(牡 美浦・鹿戸雄一 父ステイゴールド、母セニョラージェ)
半兄ダイワワイルドボア(父アグネスタキオン)はセントライト記念(GII)の勝ち馬。また、現3歳のセラフィーヌ(父ネオユニヴァース)は1戦1勝ながら昨年暮れの中山新馬戦(芝1800m)でいい勝ち方をしており高い素質を感じさせる。母セニョラージェはSuave Dancer(91年凱旋門賞-G1、91年仏ダービー、91年愛チャンピオンS-G1)の半妹にあたる良血。母方にRibot系を入れて底力の充実を図るのは、父ステイゴールドの代表産駒の1頭ナカヤマフェスタと似ている。芝向きの中距離馬。
●トーホウエルザ(牝 栗東・柴田光陽 父スニッツェル、母トーホウビーナス)
半兄トーホウアタック(父トーホウエンペラー)はダート中距離を得意とし、OPクラスまで出世した。父がスニッツェルに替わったのでタイプはまったく異なるだろう。父は現役時代にオークレイプレート(豪G1・芝1100m)など4勝つの重賞を制した名スプリンター。その父Redoute's Choiceはオーストラリアでリーディングサイアーとなったスピード型の種牡馬。これまでに走った産駒のレースぶりを見るかぎり1200mでも長いと思われる生粋のスプリンターで、1000mがベストディスタンス。本馬は母の父がWoodmanと速いタイプなのでやはりこの距離がよさそうだ。Nijinsky 5×4は、父が持つNijinsky≒Storm Bird 4×3を継続するものなので評価できる。
●ペガサスフラッシュ(牡 栗東・羽月友彦 父サンライズペガサス、母アミリス)
母アミリスは現役時代に新馬戦を勝つなど短距離戦で3勝(ダート2勝、芝1勝)を挙げた。本馬が初子。“母の父フレンチデピュティ”は成功を収めており、スズカコーズウェイ、ブレイクランアウト、アニメイトバイオ、ビッグバンといった活躍馬が出ている。連対率21.5%、1走あたりの賞金額284万円はきわめて優秀。現時点での比較ではサンデーサイレンス(連対率18.4%、1走あたりの賞金額203万円)を上回っている。父サンライズペガサスはパワー型の産駒が目立つので、ダート向きに出る可能性もある。
●マイネプルメリア(牝 栗東・宮徹 父キングカメハメハ、母マイネアイル)
母マイネアイルは重賞こそ勝てなかったものの、重賞2着が3回ある。それぞれの着差がクビ、クビ、半馬身なのでかなり惜しかった。母の父Candy Stripesは南米アルゼンチンで成功した種牡馬で、アルゼンチンスター(青葉賞勝ち馬ペルーサの母)の父でもある。母方にBlushing Groomを持つキングカメハメハ産駒で活躍したのは現時点でサリエル(10年ファルコンS-GIII・3着)程度しかいない。ただ、配合構成は良好なので期待できる。芝向きのマイラー。