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好調ハーツクライの子、配合的な期待が大きいテーオーアポロン

  • 2010年08月10日(火) 00時00分
●テーオーアポロン(牡 栗東・岡田稲男 父ハーツクライ、母フェアリーワルツ)
 半兄オーロマイスター(父ゴールドアリュール)は根岸S(GIII)3着馬。トニービンとCrafty Prospector、HaloとSir Ivorのニックスがあるほか、トニービンとAmerigoの関係もおもしろい。配合的な期待は大きい。父ハーツクライは現役時代にドバイシーマクラシック(首G1)、有馬記念(GI)などを制し、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1)でも3着となったワールドクラスの名馬。今年の2歳世代が初年度産駒となる。早い時期から動けるタイプには思えなかったが、現時点で[3-3-2-3]という絶好調の滑り出し。ディープインパクトに負けていない。芝向きの中距離タイプ。

●トウショウノーヴァ(牡 美浦・土田稔 父サクラバクシンオー、母シータトウショウ)
 母シータトウショウは未勝利馬ながら、シーイズトウショウ(03年CBC賞-GIIなど重賞5勝)の半妹にあたる良血。シーイズトウショウと本馬はいずれもサクラバクシンオーを父に持つので、両馬は4分の3同血の関係にある。2代母の父トウショウフリートは名牝ソシアルバターフライ3×3で、2代母ジェーントウショウはダンディルート3×2。このファミリーはこうした特殊な凝縮から活力を獲得しており、サクラバクシンオー産駒の成功パターンにも当てはまっているので楽しみが大きい。

●マサゴット(牡 栗東・増本豊 父タニノギムレット、母セイウンクノイチ)
 半兄セイウンワンダー(父グラスワンダー)は、朝日杯FS(GI)、新潟2歳S(GIII)、エプソムS(GIII)などの覇者。ただ、兄弟は他に3頭デビューしているものの、全兄弟を含めてまったく走っていない。本馬の父はタニノギムレット。セイウンワンダーと同じくRoberto系で、同じくRoberto 3×4を持つ。Robertoクロス馬は中途半端でピリッとしない子が目につく。それでも走らせたのが母セイウンクノイチなので、その能力に期待したい。

●ミッキーマスカット(牡 栗東・橋口弘次郎 父スニッツェル、母サファイヤコースト)
 半兄にモンテトウルヌソル(父タニノギムレット/京成杯-GIII・4着)、グローリーシーズ(父ファルブラヴ/準OP)がいる。父スニッツェルはオークレイプレート(豪G1・芝1100m)など4勝つの重賞を制した名スプリンター。2007年にシャトル種牡馬として社台スタリオンステーションで種付けを行い、翌年49頭の産駒が誕生した。純然たるスプリンター種牡馬で1000mがベスト。本馬はそれなりにスタミナのあるファミリー出身なので1200mで垂れるということはない。

●リーガルファルコン(牡 栗東・池江泰寿 父Bernardini、母Flash By)
 ドバイのモハメド殿下が所有する外国産馬。父Bernardiniは、その父A.P.Indy、その父Seattle Slewとさかのぼるラインに属している。現役時代、アメリカでプリークネスS(G1)、トラヴァーズS(G1)、ジョッキークラブGC(G1)などを制し、BCクラシック(G1)でも2着と健闘した名馬。今年の2歳世代が初年度産駒で、すでにA Z Warriorという馬が米G3で2着となっている。本馬の母Flash Byは未勝利馬ながら、米G1を2勝したGood Reward、米G2を勝ったPure Prizeが兄弟にいる良血。2代母Heavenly Prizeは米G1を8勝した名牝。質の高い良血でパワー満点。日本ではダート1800m型だと思われる。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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