スマートフォン版へ

兄弟近親に活躍馬多数、ノーザンリバー

  • 2010年08月17日(火) 00時00分
●エアジャクソン(牡 栗東・角居勝彦 父ディープインパクト、母レディパステル)
 母レディパステルは、オークス(GI)、中山牝馬S(GIII)、府中牝馬S(GIII)を勝った名牝。現役を引退後、ヨーロッパで繁殖生活に入り、ロードバロック(父ロックオブジブラルタル/2勝)、ロードロックスター(父ロックオブジブラルタル/09年京都新聞杯-GII・3着)を出産。その後、日本に帰国している。「ディープインパクト×トニービン」の組み合わせは、Fair Trial−Court Martialのラインを強調することにもなるので、このあたりがどう出るか懸念がないわけではない。ただ、本馬の母はオークス馬で血統構成がしっかりしており、あまり心配はなさそうだ。芝向きの中距離タイプ。

●クレバードリーム(牝 美浦・加藤和宏 父Oasis Dream、母ドバイハーモニー)
 父Oasis Dreamは昨今の勢力拡大が著しいGreen Desert系に属し、そのエース級ともいえる活躍ぶりで注目を集めている。現役時代はナンソープS(英G1・芝5f)、ジュライC(英G1・芝6f)、ミドルパークS(英G1・芝6f)などを勝ったスプリンターだった。当然、産駒はスピードタイプが多いが、配合次第では2000mあたりまでこなす産駒も出ている。母ドバイハーモニーはBest of the Bests(イスパーン賞-仏G1)の半妹にあたり、2代母SueboogはフレッドダーリンS(英G3)の勝ち馬。Sir Ivor≒Drone≒Halo 4・5×5は素晴らしい。また、Mill Reef 4×5によって父Oasis Dreamが持つNever Bendクロスを継続しているのも好感が持てる(Never BendクロスはGreen Desert産駒の成功パターンなので配合の急所でもある)。芝向きのマイラー。繁殖牝馬としても楽しみな存在だ。

●スマートアイリス(牝 栗東・小崎憲 父ディープインパクト、母チェリーラブ)
 半兄マイネルレーニア(父グラスワンダー)は、スワンS(GII)、京王杯2歳S(GII)を勝ったスピードタイプ。母チェリーラブは「サクラユタカオー×ノーザンテースト」というニックス配合から誕生している。母の父サクラユタカオーはNasrullah 3×4というスピードタイプ。父ディープインパクトはLady Josephine牝系のスピード血脈はそれなりに持っているものの、Nasrullahは1本もない。Nasrullahの影響の強いサクラユタカオーは、ディープインパクトの足りないものを補っているので悪くない。芝向きの中距離タイプ。

●タカラバクシンオー(牡 美浦・国枝栄 父サクラバクシンオー、母タカラサイレンス)
 母タカラサイレンスは阪神3歳牝馬S(GI)5着馬。父サクラバクシンオーはNijinskyを含んだ繁殖牝馬との間にショウナンカンプ(高松宮記念など重賞3勝)、シーイズトウショウ(CBC賞など重賞5勝)など多数の活躍馬を出している。「サクラバクシンオー×サンデーサイレンス」の組み合わせは新馬戦に強く、連対率48.4%と驚異的な成績を挙げている。初戦から注目したい。

●ノーザンリバー(牡 栗東・浅見秀一 父アグネスタキオン、母ソニンク)
 母ソニンクは不出走馬だが、全欧3歳牝馬チャンピオンとなったSonic Ladyを母に持つ良血馬。繁殖成績も優秀で、アドマイヤベガとの間にモンローブロンド(04年ファンタジーS-GIII・2着)を、アグネスタキオンとの間にノットアローン(08年ラジオNIKKEI賞-GIII・2着)とルミナスポイント(OP)を送り出している。また、長女アコースティクスはダービー馬ロジユニヴァースの母となった。活力のあるファミリーなので今後まだまだ一流馬を送り出せるだろう。本馬はノットアローンとルミナスポイントの全妹なので期待十分。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング