今週の当コラム、当初は先週の続きで新潟近辺のオススメ温泉をご紹介するつもりでしたが、先日、netkeiba.comの担当者から「23日にばんえいの『JRAジョッキーDay』があるので、ばんえい競馬について書いてください」というリクエストが来ました。なので、今週と来週は「ばんえい競馬大特集」を書かせていただきます。自分で言うのもおこがましいですが、渾身の大長編。温泉ネタを楽しみにされていた方、なにとぞご了承のほどを。
以前にも書きましたが、今年で4回目を迎える「JRAジョッキーDay」には、“皆勤”の藤田伸二、安藤勝己、四位洋文騎手らに加え、武豊、田中勝春騎手らが初出場。これまでで最高の盛り上がりを見せそうです。
当日は、帯広競馬場はもちろん、川崎競馬場でも盛大にイベントを開催。川崎では、帯広競馬のメーンレース+もう1レースの場外発売を実施するほか、ばんえいとJRAの騎手がコンビを組んでソリに乗るエキシビションレースの「勝利ジョッキー予想大会」も行います。「帯広には行けないけど『JRAジョッキーDay』は楽しみたい」という方は、ぜひ川崎競馬場にご来場ください。当日のイベントの詳細は、ばんえい十勝のホームページでご確認を。
そして、「まだばんえい競馬の馬券を買ったことがない」という方、この機会に取りあえず買ってみてはいかがでしょう?「なんだか取っつきにくいなぁ」と思われているかもしれませんが、フツウの競馬を検討プロセスに、ばんえいならではの要素をちょっと加味するだけで、意外とカンタンに予想できるんですよ(当たるかどうかはわかりませんけどね)。
ばんえい競馬も、基本的にはフツウのダート競馬と同じように考えていいと思います。カギになるのは馬場状態。馬場が乾いているとソリが滑りにくくなるので時計がかかり(=重馬場)、雨(雪)で湿ると砂が締まってソリが滑るので速いタイムが出ます(=軽馬場)。ばんえい競馬の場合、馬場状態は水分量で表示されますが、これが1%未満ならかなり乾いた馬場、逆に3~4%を越えるようだと時計の出やすい馬場と考えられます。ただし、乾いていても時計の出やすい日、湿っているわりに時計がかかる日があることをお忘れなく。いずれにせよ、馬場状態の確認は、ばんえい競馬予想の初めの一歩となります。
で、フツウのダート競馬同様、ばんえいにも、乾いた馬場の力比べが得意な馬と、湿った馬場でのスピードを自慢にしている馬がいます。これを競馬新聞の成績欄から読み解き、その日の馬場に合いそうなタイプを探します。競馬新聞やNAR公式サイトに載っているのは最近5走の成績。序盤のレースで上位に来た馬が、そのうちのどのレースで好成績を挙げていたかを見るのもひとつの方策です。“過去のその日”と当日が同じような馬場状態になっていると考えられるからです。
次に展開。ばんえいの競走馬にも、逃げ・先行タイプ、差し・追い込みタイプという脚質があります。競馬新聞には、1.スタートから第2障害まで、2.第2障害越え、3.第2障害クリア後からゴールまでに要したタイムと、A第1障害、B第2障害手前、C第2障害通過の順位が表示されています。1.のタイムが速くて、A・Bの順位が前々なら逃げ・先行馬、A・B・Cの順位が後ろでも、2.・3.のタイムが速くて上位に入ったレースがあるような馬は差し・追い込み馬です。
帯広のレースは、ハッキリ言って逃げ・先行馬有利。したがって、まずはそういうタイプの有力馬を探すことが、ばんえい予想の王道と言えます。1.・2.のタイムが速く、3.のタイムもソコソコの馬を見つけましょう。3.のタイムが遅く、Cの順位よりゴールの着順が悪い馬は、逃げたのに失速したとか、末が甘いとか、なにかの原因があって逃げ切れなかった馬です。そのへんも見極めながら、確実に前で粘れそうな馬を探し、それを中心に据えて予想を組み立てます。
そうやって考えていくと、たいがい素直な予想=本命サイドの堅い結論になるはずです。それでいい、という方は、そのまま勝負してください。でも、ばんえい競馬は、頭数(フルゲート10頭)のわりに、けっこう荒れるんです。一筋縄ではいかないのはフツウの競馬と一緒。ばんえいのレースが荒れるパターンというのを頭に入れておいたほうがいいと思います。
まず、逃げ・先行馬が人気になっているレース。同タイプの馬が多くいれば、フツウの競馬同様、息の入らない厳しい流れになります。そういう場合は、当然ながら差し・追い込み馬、とくに2.と3.のタイムがいい馬が穴を出すかもしれません。
強そうな逃げ・先行馬がいる時も、アッと驚く大波乱になることがあります。そういう馬に乗った騎手が油断したり、強気になりすぎたりしたとき。本来なら、もう一息入れて第2障害に向かわなければならないのに、「まぁこのくらいで行けるだろう」なんていう仕掛けをすると、障害で大苦戦してしまうことがあるんです。さらに、それを負かしに行った有力馬も、つられて早仕掛けしたためにバッタリ止まり、気楽に後ろから行った穴馬が、もがく人気馬をあざ笑うように勝利をさらう、なんていう時に、とんでもない大万馬券が飛び出します。
一方、末脚自慢の馬が人気を集めている場合。これは、そう、“人気薄の前残り”に要注意です。人気がないだけに思い切って先行した馬がそのまま逃げ切り、差し馬が脚を余して負けるケースや、差し馬が速い流れについて行こうとして第2障害までに脚を使い、自慢の末脚を使えなくなってしまうケースなどがあります。
そのレースの本命馬が逃げ・先行馬なのか、差し・追い込み馬なのか。これは重要です。そういう馬は他の馬(の騎手)から間違いなくマークされるわけで、人気に応えて勝つのはなかなかタイヘン。もちろん、そういうプレッシャーをはねのけて本命馬が勝つレースもありますが、むしろばんえい競馬を予想するにあたっては、常に「本命馬が負けるとすれば」を考えたほうがおもしろくなるし、実際にオイシイ穴馬券にありつけると思います。
ばんえい競馬の賭け式は、単勝、複勝、枠複(9、10頭立てのレースで発売)、馬複、馬単の5通り。よく、「3連複、3連単はないのか?」と聞かれますが、今のところありません。「だからつまらない」ですって? いやいや、そんなことはないですよ。確かに10万円、100万円の大万馬券は出ませんが、そこそこの穴馬券はよく出ますし、当てやすいのがなにより。「3連複、3連単に疲れたらばんえいを」というのが私の持論。ほどよい賭け金で適度な的中を楽しめるのが、ばんえい競馬だと思います。
今回ご案内したことは、各地で開催している「ばんえい競馬トークショー」でご説明させていただいています。とはいえ、レースは“百戦百様”。予想のポイントはそれぞれのレースによって様々に変化します。何はともあれ、私のご案内をヒントに、馬券を買ってみるところから始めてみてください。いくつものレースを予想して馬券を買っていくと、だんだんわかってくることが必ずあります。“継続は力なり”で、続けて買っていれば、そのうちばんえい競馬の達人になっちゃうはず。みなさん、フツウの競馬もそうやって覚えてきたじゃないですか? ばんえい競馬も同じですよ。
23日の「JRAジョッキーDay」は、これからばんえい競馬を始めようという方には、ちょうどいいチャンスです。ぜひ、帯広競馬場、川崎競馬場など、ばんえいの馬券が買えるところにお越しください。私は、川崎競馬場でお待ちしています。では、また来週。
ばんえい十勝・JRAジョッキーDay情報=http://www.banei-keiba.or.jp/event/jraday823.html
同・川崎競馬場イベント情報=http://www.banei-keiba.or.jp/event/10-2.html