スマートフォン版へ

フリオーソの半弟ながら芝OK、ディープ産駒エルヴィスバローズ

  • 2010年09月07日(火) 00時00分
●ウインラーニッド(牡 栗東・石坂正 父キングカメハメハ、母ラフォルトゥナ)
 半兄ナックルパート(父クロフネ)は3勝馬。3代母ストールはミルコウジ(東京ダービー馬でNARリーディングサイアー)の全妹にあたる良血。キングカメハメハ産駒はNever Bend血脈(Mill Reef や Riverman など)と相性がいい。「キングカメハメハ×サンデーサイレンス+Mill Reef」という配合は、JRAでデビューした3頭がすべて勝ち上がり、そのうちの2頭がローズキングダムとアドマイヤテンクウなので成功パターンといえるだろう。2代母の父トウショウボーイは手堅いスピードを保証するはず。芝向きのマイラー〜中距離タイプ。

●エルヴィスバローズ(牡 栗東・中竹和也 父ディープインパクト、母ファーザ)
 帝王賞(GI)[2回]、ジャパンダートダービー(GI)、全日本2歳優駿(GI)などダート戦線でトップクラスの実績を挙げているフリオーソ(父ブライアンズタイム)の半弟。ただ、母方の血は決してダート専用というわけではなく、2代母Bayaはグロット賞(仏G3・芝1600m)を勝ち、仏オークス(仏G1・芝2100m)で2着となった活躍馬。3代母Bargerはヨーロッパで活躍した女傑Triptych(G1を9勝)の全妹。これにディープインパクトなら芝もOKだろう。レッドセインツ(10年新潟2歳S-GIII・3着)と同じく母方にRivermanが入る。このパターンはPocahontas≒River Lady 5×5が生じるので好ましい。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

●コウヨウレジェンド(牡 美浦・古賀慎明 父ロイヤルタッチ、母アサヒマーキュリー)
 クイーンS(GIII)を勝ち、G1でも2着を重ねたアサヒライジングの全弟。母アサヒマーキュリーは「ミナガワマンナ×ボンモー×タマナー」。ほとんど稀有といっていいほどのアウトサイダー血統。こういう繁殖牝馬には素直に主流血統を持ってくるのがセオリー。父ロイヤルタッチはその条件を満たしている。もし配合の教科書というものがあれば、そこに載せたいくらいの鮮やかな異系交配だ。姉同様の活躍を期待したい。

●ダッシャーワン(牡 栗東・安田隆行 父フレンチデピュティ、母ネガノ)
 半兄ダッシャーゴーゴー(父サクラバクシンオー)はCBC賞(GIII)2着、小倉2歳S(GIII)2着などの成績がある。母方にMr.ProspectorとBuckpasserを併せ持つフレンチデピュティ産駒は手堅く成功しており、芝・ダート双方でフレンチデピュティ産駒の平均を上回り、単勝回収率でもプラスを維持している。エイシンデピュティ(08年宝塚記念-GI)のような大物も出せる。本馬はほかにBlue Moon≒Blue Banner 4×5を持ち配合的におもしろい。Ribot系が入るので底力もありそうだ。芝・ダート兼用のマイラー。

●ブレインウェーブ(牝 美浦・小笠倫弘 父マンハッタンカフェ、母ブリージーキス)
 母ブリージーキスはワールドスケール(04年中山金杯-GIII・2着)の半姉にあたる。母方にCaerleonを持つマンハッタンカフェ産駒は成功しており、レッドディザイア(09年秋華賞-GI、10年アルマクトゥームチャレンジラウンド3-首G2)、ジョーカプチーノ(09年NHKマイルC-GI)、ガルボ(10年シンザン記念-GIII)、マッハヴェロシティ(09年青葉賞-GII・2着)、テイエムオーロラ(10年マーメイドS-GIII・3着)、アラシヲヨブオトコ(08年デイリー杯2歳S-GII・5着)などの活躍馬が出ている。芝向きの中距離馬。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング