『ディープインパクトは豪華繁殖を付けられているから走って当然』と言われる。
確かに最もな意見なのだが、『豪華繁殖』を付ける事で具体的に何勝くらい期待できるかがはっきりしないため、成功/失敗のライン設定が難しい。

そこで、先週(ダービーウィーク)までのディープインパクトの種牡馬成績と、1つ上の兄姉（1歳上ではないので注意)との成績を比較してみようと思う。
もしディープインパクトの種牡馬能力が低いなら兄姉の成績を下回っているはずだし、能力が高いのならば上回っているだろう。

なお下記データは、ディープインパクトの2008年産147頭（血統登録数)のうち、秋種付け・海外輸出が9頭、初仔が15頭いるため、
これを除いた123頭について比較している。

ディープインパクト（123頭）
勝利数/勝率：75勝/16.6%
重賞：3勝（うちG? 1勝) OP特別:3勝 G?2着 2回


兄・姉(123頭)
勝利数/勝率：58勝/14.8%
重賞：5勝（うちG? 1勝) OP特別:3勝 G?2着 0回

参考:種付け種牡馬(多い順に)
17頭:アグネスタキオン
15頭:スペシャルウィーク
14頭:キングカメハメハ
7頭:フジキセキ
6頭:シンボリクリスエス、クロフネ、ゼンノロブロイ、ダンスインザダーク
4頭:ブライアンズタイム (以下略)

まず気が付くのは、勝利数、勝率の良さだろう。123頭で58勝している『豪華繁殖』は確かに素晴らしいが、それを17勝も上回るのは並大抵の事では無い。
注意して頂きたいのは、兄姉に付いている種牡馬も『豪華繁殖』にふさわしい一流種牡馬という事だ。
例えば、もし勝ち数が58だったとしても、キングカメハメハやアグネスタキオンなどの一流種牡馬と比べて同程度のパフォーマンスだったという事であって、能力の無い種牡馬という訳では無いのだ。

また、『期待外れ』と言われた重賞、OPの成績に関しても、実はそれ程悪くない。
兄姉が重賞5勝しているものの、ディープインパクトの方はG?2着が2回ある。
そもそも重賞勝ちという指標自体、非常にバラツキが大きいのでダービー週までの1年では何とも言いようが無いのだが、たとえ『豪華繁殖』であっても、重賞を勝ちまくるというのがそう簡単では無い事は兄姉の数字を見てもはっきり分かる。

やはりディープインパクトは、相当な能力を持った種牡馬ではないだろうか?