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戸塚記念・回顧

  • 2010年09月13日(月) 00時00分
戸塚記念(9月8日 川崎 サラ3歳 別定 SIII 2100m不良)

○(1)ハーミア 2分16秒9
△(2)ビクトリースガ 1.1/2
△(3)ミヤビジンダイコ 1/2
△(4)ナイセストスター 1/2
(5)ウインクゴールド 2
 …………………
▲(6)ポシビリテ
(7)ラヴェル
◎(9)ドラゴンキラリ
△(14)ジーエスライカー

単200円
馬複1,040円
馬単1,570円
3連複8,130円
3連単27,640円

 ハーミアが完勝した。道中終始スムーズに3番手を追走、4コーナー手前、外から捲ったビクトリースガに併せる形で発進し、直線これを余力十分に突き放した。川崎2100mは「関東オークス」と同じ舞台。当時シンメイフジの2着ながら、2分13秒4のレースレコード。それがダテではなかった証明だろう。もう一つ、終わってみれば53kgは、望外ともいうべき恵量だった。牝馬(重賞未勝利)有利の別定重量。仮に“ハンデ戦”なら、おそらく55kgは課せられていた。

 内からジーエスライカーの逃げ。強力な同型不在で川崎2100mらしいスローになった(1000m通過64秒0)。ただこのジーエスが何ともあっけなく失速し、いったんウインクゴールドが先頭に。これに後続が雪崩れこむように襲いかかり、最後は瞬発力の差がそのまま出た。「前走(黒潮盃)が少しチグハグだったから、折り合いにだけ気をつけました。相手(ビクトリースガ)に並ばれる展開もかえってよかった。力があってガッツがある」(戸崎J)。「デキ自体はまだ9分くらい。それでも実戦に行くとシャキッとする。牝馬だけど、心身とも大物感がありますね」(荒山勝徳調教師)。父フィガロ。過去代表産駒はアンパサンド(東京ダービー馬)で、ここ一番の勝負強さなど、よく似たムードを持っている。今後順調なら、「TCKディスタフ」→「ロジータ記念」のローテと聞いた。ひとまず牝馬路線、“実をとる”という戦略だろう。

 一蹴された牡馬陣は正直あまりほめられない。中では挑戦者らしいレースをしたビクトリースガが一応の合格点か。同馬は父ヴィクトリースピーチ、底力は微妙だが、切れ味とセンスに特長を持っている。町田Jも好騎乗を見せた。マイルSIII級なら展開一つで勝機も浮かぶ。3着ミヤビジンダイコは、直線外を回ってメンバー中上がり最速の38秒4。ただこの上をめざすとすれば、やはり器用さが必要か。父サクラローレル。ひと昔前なら、こういうタイプには「東京王冠賞=2600m」が用意されていた。ナイセストスターは、いかにも石崎隆騎手らしい待機策で、直線じわりと伸びたレースぶりも思惑通りか。今後はポスト・セレンを目指して進む。ポシビリテは前半モタついたが、結果6着なら最低限のメドは立った。ドラゴンキラリはわからない。確かにスタートで不利はあったが、2周目向正面で鞍上が必死に追ったものの、すでに戦意を喪失していた。押せ押せのローテが、ここで響いてしまったのかどうか。ジーエスライカーは、本質短〜マイラーかもしれない。京浜盃(1700m)は圧勝している。ただ他馬が成長してくると、当然ながらその力関係も逆転する。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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