●アクアシャンデリア(牝 栗東・池添兼雄 父Galileo、母Showdown)
母Showdownの半弟に仏2000ギニー(G1)を勝ったAussie Rulesがいる。「Sadler's Wells系×Darshaan」という定番の成功パターンなので配合レベルは高い。ただし、日本向きかというとやや疑問。ヨーロッパでも2400m以上の長距離で本領を発揮するスタミナ配合。日本の高速馬場ではスピード不足を露呈する可能性が高く、ダートに活路を見出すかもしれない。繁殖牝馬としての価値は高いだろう。
●アプレレクール(牝 美浦・小笠倫弘 父ゼンノロブロイ、母チアフル)
半兄ミッキーチアフル(父シンボリクリスエス)は京王杯2歳S(GII)5着など重賞で数回入着経験がある。2代母Kartajanaはアガ・カーン四世殿下の生産馬で、ヨーロッパの伝統的なスタミナ血統で構成され、ガネー賞(仏G1)、バイエリシェスツフトレネン(独G1)などを勝った。父ゼンノロブロイはアメリカ血統過多といったところがあり、スタミナと底力に秀でたヨーロッパ血統と相性がいい。Kartajanaのような血とは合うはずだ。芝向きの中距離タイプ。
●オンリーザブレイヴ(牡 栗東・角居勝彦 父ディープインパクト、母プラウドビューティー)
半兄レッドガルーダ(Giant's Causeway)は未勝利に終わった。2代母ハニーバンはピルサドスキー(96年BCターフ、97年ジャパンCなどG1を6勝)、ファインモーション(02年秋華賞-GI、02年エリザベス女王杯-GI)の半姉にあたる良血。母プラウドビューティーはデインヒルの子なので、ピルサドスキー、ファインモーションと血統構成が近い。ヨーロッパ向きの力強い血で構成されているので、父ディープインパクトの素軽さとうまくマッチすれば楽しみが大きい。Highclere 4×5という牝馬クロスは大胆。洋芝に強そうな中距離配合。
●サンライズアバカス(牡 栗東・音無秀孝 父フレンチデピュティ、母シェリーザ)
全姉サンアディユはセントウルS(GII)、京阪杯(GIII)などを勝ち、スプリンターズS(GI)でも2着となったスピード型の名牝だったが、心不全のため惜しくも死亡した。全弟にあたる本馬もおそらく芝・ダート兼用でスピードに秀でたタイプだろう。姉と同じ馬主で厩舎も同じなので、この血統のクセは分かっていると思われる。馬を仕上げていく際にこの点はアドバンテージとなる。
●ゼンノルジェロ(牡 栗東・池江泰寿 父シンボリクリスエス、母フサイチエアデール)
ライラプス(05年クイーンC-GIII)、フサイチリシャール(JRA賞最優秀2歳牡馬)の半弟にあたる良血。母フサイチエアデールは重賞を4勝した名牝だった。母方にサンデーサイレンスとMr.Prospector、それにLa Troienne牝系の血が入るのは好感が持てるが、Francis S. 5×4がどう出るか。やや力馬的な資質を表現してしまうかもしれない。芝・ダート兼用タイプだがダートのほうが合う可能性も。
●リトルダーリン(牝 栗東・角居勝彦 父ディープインパクト、母エリモエクセル)
母エリモエクセルはオークス(GI)、中京記念(GIII)など4つの重賞を制した名牝。繁殖牝馬としては5頭の産駒を送り出し、ユニバーサル(父ブライアンズタイム)が3勝、ダノンエクスプレス(父アグネスタキオン)が2勝を挙げたものの、期待ほどの成績は挙げていない。ただ、母方にRivermanが入るので、父ディープインパクトとの組み合わせではPocahontas≒River Lady 5×4が生じる。期待が持てる配合だ。ただ、馬体はかなり小さく馬体重は400kgを切っているとのこと。このあたりがどう出るか。