トゥインクルレディー賞(9月15日 大井 サラ3歳以上牝馬 ハンデ SII 1600m梢重)
◎(1)ヒロアンジェロ 1分40秒5
(2)エロージュ 1/2
▲(3)フサイチミライ クビ
(4)トーセンバスケット 1.1/4
△(5)テイエムヨカドー 1/2
……………………
(6)コールニーシュ
○(7)ラインジュエル
(10)ネオグラティア
△(12)ベルモントプロテア
△(14)シスターエレキング
△(16)チヨノドラゴン
単510円
馬複4,900円
馬単9,500円
3連複13,400円
3連単84,770円
ヒロアンジェロが快勝した。南関東転入2戦目を見事な金星。恵量54kg着差1/2馬身だから余裕の勝利ではもちろんないが、それでも道中のスムーズな折り合い、勝負どころの反応など素晴らしく、“すべてにバランスのいい競走馬”、そんな言葉がしっくりくる。JRA→道営、レース数は重ねたものの(31戦)、まだギリギリの競馬は経験が浅いようにみえた5歳夏。それでいてこのセンスを備えていれば、今後交流牝馬重賞出走でも夢がつながる。
注目の逃げ争い。内からチヨノドラゴンが押すこともなく先手をとり、2番手キョウエイトリガー、接近してタッチブライト、エロージュ。意外なほど淡々とした平均ペースで(1000m通過61秒1)、数字上は先行決着でも不思議はなかった。しかしヒロアンジェロは外め5番手、絶好のポジションを確保して虎視眈々。そして3〜4コーナー、鞍上のGOサインから機敏に動いた。「前走(アデレードシティC・3着)で能力、適性は実感していた。当時8分くらいだったから期待通り。(自分も)いい位置取りで乗れたと思うし、最後は馬が踏ん張ってくれました」(坂井騎手)。同Jは戸崎騎手の3年先輩。いわく“腕”は互角と判断でき、両人とも本来“追い込む競馬”が好きらしい。今回ヒロアンジェロとの呼吸で、坂井Jはたぶんもう一段前進した。
ヒロアンジェロはJRA3勝、道営3勝。実質戦歴はそう華々しいものでもないが(JRA500万2勝)、晩成血統(グラスワンダー×サドラーズウェルズ)らしい充実はイメージでき、現実にパワー優先の南関東ダートで水を得ている。前開催「アフター5スター賞」、ヤサカファインから、重賞連覇をなしとげた鷹見浩調教師。「(重賞連覇は)人生のうち、こんなこともあるのかなあ…そんな風に受け止めます。アンジェロはいい仕事をしてくれた。ただ体質自体は強くないので、様子をみながら慎重に…」。今後は牝馬路線を進むということらしい。いずれにせよ、同馬はこの勝利でさまざまな“視界”が広がった。卓越したレース勘と息の長い末脚。JRA実績、体型からはむしろ1800m前後ベストかもしれない。
2着エロージュは、好位インから二の脚を伸ばすしぶとい内容。本質スピード型ながら、気性面の成長が今季は大きい。マグニフィカの半姉。順調さを取り戻しただけに、牝馬重賞ロードなら安定株に定着しそうだ。3着フサイチミライは、外々を捲る競馬。「いいレース(末脚勝負)はできたと思うが、展開が向かなかった」(御神本J)との言葉通りで、抜けた力がない以上、同レース連覇となると、やはり流れに左右される。5着テイエムヨカドーはスタートで後手を踏んだ。荒尾遠征(霧島賞圧勝)直後、疲労が懸念されただけに立派な結果(直線あと1F先頭)で、むしろ改めてその地力が証明された。対抗に推したラインジュエルは好位からジリ退り。まだ少し太目に写り、レースぶり自体、次への期待はつながった。チヨノドラゴンはマイペースの逃げであえなく失速。今日の場合、競って甘い一本調子としか言葉がなく、結局、人気になったときは買い目なし(馬券的に)と判断する。ネオグラティア、シスターエレキングは、中団もまれる形で戦意喪失。次走狙えるとしたらトーセンバスケットか。結果4着ながら、ゴール間際は数字以上に“切れて”いる。JRA3勝、引き続き張田Jなら無条件で買ってみたい。