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馬場による明暗

  • 2002年08月08日(木) 00時00分
 函館2歳Sで、今年の2歳Sの第一歩が踏み出されました。あの大混乱が何を物語っていたか、それを自分なりにクリアーしておかないことには前へ進めません。

 如何にも重い芝コースの中行われた函館の新馬戦でした。1番人気を背負ったサマーオブキングスが、7月14日に勝った芝1200mで記録した時計が1分16秒1。いくら道悪だったにしろ、ちょっとかかりすぎだったと思います。それでも、良馬場だったらという期待を抱かせたところに、ステークスでの人気になっていました。

 実際、出走各馬とも大きな変わり身をみせて、悪コンディションの中でも、それなりのスピード勝負を演じたのです。

 サマーオブキングスも、3.6秒も時計をつめました。それなのに、アタゴタイショウ、トーホウアスカに1秒前後のおくれをとったのでした。前哨戦がまるで参考にならない内容だったことと、阪神、福島、新潟の各地を戦った2歳馬たちとの比較が、事前に判定しにくいという状況が、この結果を生んだということでした。

 アタゴタイショウの戦い方は、自信満々に内を突いて走らせたもので、しかも、逃げたトーホウアスカが2着に粘り、後方から追い上げたマイネルモルゲンが追い届かなかったように、レース自体が、先行馬有利の流れを生んでいたことが、波乱の大きな要因であったと思われます。終始、内々の好位を走ったアタゴタイショウも、この先行ペースにしっかり乗っていました。

 フジノタカネの4着は、ラベンダー賞の2番手追走がかなわなかったスピード不足を露呈したもので、前哨戦とガラリと一変した、この馬場なりのスピード競馬に対応できなかったことが敗因として考えられます。

 この函館2歳Sの結果が、とても先につながることは思いませんが、早い時期の2歳Sの予想には、馬場差をつかむことも大切です。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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