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走るパターンのハーツクライ産駒、カレンミロティック

  • 2010年09月22日(水) 00時00分
●アンジェリカシチー(牝 栗東・宮本博 父マヤノトップガン、母ライトウインズ)
 全兄マヤノグレイシーは新潟記念(GIII)5着馬。2代母ノビアボニータはOP特別の勝ち馬で、その半姉にはエリザベス女王杯を勝ったビクトリアクラウンがいる。母方にNijinskyを持つマヤノトップガン産駒はRed GodとNijinskyのニックスが生じるため成功しており、チャクラ(03年ステイヤーズS-GII、04年目黒記念-GII)、ホッコーパドゥシャ(09年新潟記念-GIII)などの活躍馬が出ている。「マヤノトップガン×ジェイドロバリー」はメイショウトウコン(ダート重賞5勝)と同じ組み合わせでもある。兄同様の活躍を期待したい。

●カレンミロティック(牡 栗東・平田修 父ハーツクライ、母スターミー)
 半姉ヒカルアマランサス(父アグネスタキオン)は京都牝馬S(GIII)の勝ち馬で、ヴィクトリアマイル(GI)でも2着に食い込んだ。2代母Caerlinaは仏オークス(G1)の勝ち馬。父ハーツクライは初年度産駒が活躍しており、新馬−野路菊S(OP)を連勝したウインバリアシオンをはじめ現在8頭が9勝を挙げ、連対率は53%に達している。「ハーツクライ×Seattle Slew系」なので、先週新馬勝ちを果たしたトウシンイーグルと構成が似ている。父ハーツクライと相性のいいアメリカ血統(BuckpasserをはじめLa Troienneの影響下にある血、Round Tableなど)を持ち、好感が持てる配合に仕上がっている。しっかり走ってきそうな雰囲気だ。

●ケイティーズジェム(牝 栗東・藤原英昭 父ディープインパクト、母ケイティーズファースト)
 母ケイティーズファーストはヒシアマゾン(エリザベス女王杯-GI、阪神3歳牝馬S-GIなど重賞9勝)、ヒシナイル(96年フェアリーS-GIII)の半姉にあたる良血。繁殖牝馬としては10頭の産駒をデビューさせており、そのなかにはゴーステディ(父トニービン/02年中山金杯-GIII・3着)、トールハンマー(父エリシオ/06年函館スプリントS-GIII・6着)などの活躍馬もいる。本馬の父はディープインパクト。母の父にSharpen Up系を持ってくるパターンはレッドセインツ(10年新潟2歳S-GIII・3着)と同じ。芝向きの中距離タイプ。

●ファインステラ(牝 栗東・岡田稲男 父ゼンノロブロイ、母サンシャインステラ)
 半兄サンプレイス(父サンデーサイレンス)は新潟記念(GIII)の勝ち馬。2代母ステラスポートは名牝ダイナアクトレスの半姉にあたる。父ゼンノロブロイはアメリカ血統過多といったところがあるので、伝統的なヨーロッパ血統で構成されたトニービンとは相性がいい。この組み合わせからは青葉賞(GII)3着のハートビートソングやアネモネS(OP)を勝ったギンザボナンザが出ている。芝のマイルから中距離あたりでいいところがありそうだ。

●マサカリ(牡 美浦・柄崎孝 父テレグノシス、母キョウエイピュア)
 父テレグノシスはNHKマイルC(GI)など3つの重賞を制した活躍馬。初年度産駒は26頭しかいないが、そのなかから新潟2歳S(GIII)を勝ったマイネイサベルを出した。本馬はマイネイサベルと同じくトニービンとNijinskyの組み合わせを持つ。このふたつの血は相性がいい。Gambetta≒Thong 5×5は、テレグノシス産駒でこのクロスが成功するかどうかの試金石となるので注目してみたい。芝・ダート兼用のマイラー。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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