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いずれGIを賑わすことになるかも、トーセンレーヴ

  • 2010年09月28日(火) 00時00分
●イクゼギンギラギン(牡 美浦・国枝栄 父ロックオブジブラルタル、母スマイルトゥモロー)
 母スマイルトゥモローはオークス(GI)とフラワーC(GIII)の勝ち馬。気難しいところがあり、古馬になると大逃げを打って場内を沸かせることもあった。本馬はその4番子。「ロックオブジブラルタル×ホワイトマズル」という組み合わせなので、追っての味はあまり期待できず、どちらかといえばパワーが活きる馬場のほうがよさそう。父がロックオブジブラルタルで母がオークス馬といえばロードロックスター(09年京都新聞杯-GII・3着)と同じ。母の気性的な難しさが伝わっていなければ2000mあたりまでこなしそう。

●エフティレフア(牝 美浦・鹿戸雄一 父キングカメハメハ、母インディゴワルツ)
 母インディゴワルツの全妹フサイチパンドラ(父サンデーサイレンス)は、エリザベス女王杯(GI)と札幌記念(GII)を勝った名牝。その母ロッタレースはトライマイベスト(77年デューハーストS-英G1)、El Gran Senor(84年欧州年度代表馬)の半妹にあたる良血。本馬はトライマイベスト≒ロッタレース4×2という大胆な4分の3同血クロスを持っている。吉と出ればおもしろい。

●スサーナトウショウ(牝 栗東・鶴留明雄 父ロックオブジブラルタル、母シーイズトウショウ)
 母シーイズトウショウはCBC賞(GII)など重賞5勝の名スプリンター。サクラバクシンオーが送り出した代表馬の1頭で、本馬が初子となる。父ロックオブジブラルタルはデインヒルの子でパワーがあり、やや一本調子なところがある。おそらく本馬は緩急を必要とする中距離に向くタイプではなく、1200mで一気に突っ走る競馬が合っているだろう。

●トーセンレーヴ(牡 栗東・池江泰寿 父ディープインパクト、母ビワハイジ)
 ブエナビスタ(09年桜花賞-GI、09年オークス-GIなどGIを4勝)、アドマイヤオーラ(07年弥生賞-GIIなど重賞3勝)、アドマイヤジャパン(05年京成杯-GIII)の下。父ディープインパクトの配合は、基本的にその母の父Alzaoの構成要素を強化するのがいいのではないかと思う。本馬は母方のLord GayleがAlzaoとよく似た配合構成なので好感が持てる。兄姉の水準から照らして本馬はかなりの器だろう。いずれGIを賑わすことになるかもしれない。

●ブルースビスティー(牡 栗東・矢作芳人 父ダンスインザダーク、母フィラストリート)
 ブロードストリート(父アグネスタキオン/09年ローズS-GII)、ストリートスタイル(父アドマイヤベガ/10年北九州記念-GIII・4着)、ポップジュエル(父サンデーサイレンス/OP)の半弟、フィニステール(07年青葉賞-GII・3着)の全弟にあたる良血。母フィラストリートは切れ味を伝えるCozzeneの子で、Grey Sovereign 4×4。ここに瞬発力の源泉がありそうだ。サンデー系との組み合わせではしっかり結果を出しているので、本馬への期待も高まる。

●リッチマインド(牡 栗東・山内研二 父マンハッタンカフェ、母アビ)
 半兄ディープスカイ(父アグネスタキオン)は日本ダービー(GI)、NHKマイルC(GI)など4つの重賞を制した名馬。母アビは競走馬としては無名ながら、独2000ギニー馬Royal Dragonの半姉にあたる良血で、Miss Carmie 4×3というインブリードを持っている。Six Crowns≒Carmelize 2×2といってもいい。繁殖牝馬として注目できる存在だ。母方にChief's Crownを持つマンハッタンカフェ産駒にはハンソデバンド(10年共同通信杯-GIII)がいる。芝向きの中距離タイプ。

●ロベルタ(牝 栗東・松田博資 父ブライアンズタイム、母グレースアドマイヤ)
 全兄にヴィクトリー(07年皐月賞-GI)、半兄にリンカーン(父サンデーサイレンス/04年阪神大賞典-GIIなど重賞3勝)がいる。サンデーサイレンスとブライアンズタイムの子が兄弟で同時に走った例は稀なので、母グレースアドマイヤはかなり優秀な繁殖牝馬といえる。その兄弟にフサイチコンコルド(96年日本ダービー-GI)、アンライバルド(09年皐月賞-GI)、ボーンキング(01年京成杯-GIII)がいるだけのことはある。全兄ヴィクトリーと同様の活躍を期待したい。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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