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フサイチパンドラの4分の3弟トーセンエッジ

  • 2010年10月05日(火) 00時00分
●アフロディシアス(牝 栗東・宮徹 父ジャングルポケット、母パワーオブラブ)
 母パワーオブラブは未勝利馬だが、その半妹にファルコンS(GIII)を勝ったキョウワハピネスがいる。3代母Lady's Secretは牝馬ながら米年度代表馬に輝いた歴史的名牝。「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」は有名なニックスで、フサイチホウオー、トールポピー、アヴェンチュラの三兄妹のほかに、ジャガーメイル、アプリコットフィズ、トーセンキャプテンなど多くの活躍馬が出ている。2代母グッドルックスは「Mr.Prospector×Secretariat」という組み合わせ。これはトニービン系と抜群の相性を示す名牝クラフティワイフと配合構成が非常によく似ている。本馬の父ジャングルポケットはトニービン系なので楽しめそうだ。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

●エーシンサンファン(牝 栗東・野元昭 父ステイゴールド、母サンファンガール)
 凱旋門賞(仏G1)2着の快挙を成し遂げたナカヤマフェスタは、父がステイゴールドで、母にRibot系のHis Majesty 2×4という強いクロスがあった。これがヨーロッパの重い馬場をこなしたパワーと底力の源泉だと考えられる。本馬もナカヤマフェスタと同じステイゴールド産駒で、母サンファンガールはHis Majesty≒Graustark 2×5という全きょうだいクロスを持つ。ナカヤマフェスタと配合構造がよく似ているので注目したい。母方にStorm Catが入るので、芝向きのステイゴールド産駒にしてはダートをこなすだろう。

●キョウワシリウス(牝 栗東・荒川義之 父ジャングルポケット、母ジーク)
 2代母ショウリノメガミは京都牝馬特別(GIII)と中山牝馬S(GIII)を制した名牝。母ジークは不出走馬だが、母の父ダンスインザダークはMr.Prospectorと相性がいいので配合的に評価できる。父がジャングルポケットで母方にサンデーサイレンス、Mr.Prospector、Secretariatを併せ持つ配合は、前述のアフロディシアスと同じ。「ジャングルポケット×ダンスインザダーク」という長距離型の配合なのでスピード面の不安は若干あるものの、それをクリアできればおもしろい。

●ディアエスペランサ(牝 美浦・田村康仁 父ロックオブジブラルタル、母ディアウィンク)
 半兄ナカヤマフェスタ(父ステイゴールド)は宝塚記念(GI)など3つの重賞を制覇したほか、凱旋門賞(仏G1)2着という歴史的快挙を成し遂げた。半姉ディアアレトゥーサ(父トーセンダンス)は紫苑S(OP)の勝ち馬。母ディアウィンクは抜群の能力を秘めた繁殖牝馬だ。本馬はロックオブジブラルタルの子。デインヒル2×3で、His Majesty 4×3×5というクロスが生じるのでパワーが前面に出たタイプになりそう。兄姉とはまったく違ったタイプだろう。

●トーセンエッジ(牡 美浦・鈴木康弘 父ディープインパクト、母ロッタレース)
 4分の3姉のフサイチパンドラ(父サンデーサイレンス)は、エリザベス女王杯(GI)、札幌記念(GII)を勝った名牝。母ロッタレースはトライマイベスト(77年デューハーストS-英G1)、El Gran Senor(84年英2000ギニー-英G1、84愛ダービー-愛G1、83年デューハーストS-英G1)の半妹にあたる良血。繁殖牝馬としては産駒を比較的大きめに出す傾向があり、じっさい本馬もディープ産駒にしてはそこそこ馬格がある。配合的にこれといって悪いところはなく大成が期待できる。芝向きの中距離タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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