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東京盃・回顧

  • 2010年10月11日(月) 00時00分
東京盃(10月6日 大井 サラ3歳以上 別定 JpnII 1200m稍重)

◎(1)サマーウインド 1分10秒6
▲(2)ヤサカファイン ハナ
○(3)ミリオンディスク 2
△(4)ナイキマドリード 3/4
△(5)スーニ 2.1/2
……………………
△(6)アナモリ
 (7)ロイヤルボス
 (9)ケイアイジンジン
 (11)スーパーヴィグラス

単130円
馬複1,030円
馬単1,320円
3連複920円
3連単3,320円

 サマーウインドが接戦を凌ぎ、断然の1番人気に応えてみせた。ただ3〜4コーナーで無理なく先頭、余裕十分の手応えから、最後“ハナ差”は正直意外で、自身初コースだった大井にやや減点材料があったのか、それとも迫ったヤサカファインの健闘か、少し微妙な部分もないではない。それでも1200m1分10秒6、時計自体がレコード(10秒2)に肉薄する。ごく素直には、近年にないハイレベル、そして“名勝負”と考えていいのだろう。

 ダッシュがよかったのは、内ケイアイジンジン、外ナイキマドリード。サマーウインドはモッサリしたスタートで、しかしそこから二の脚、加速力がさすがに凄い。中を割ってすぐ追いつき、持ったまま先頭に立ってしまう。スピードに乗って重心が沈み、これぞスプリンターという快調なフットワーク。懸命に食い下がるナイキマドリード、直後からミリオンディスク、スーニも追い上げるが、この時点サマーウインドは、誰がみても楽勝態勢に違いなかった。ただ現実に、あと100m、馬群を捌いたヤサカファインが伸びに伸びる。「速いラップで押し切る競馬を意識した。でも最後はホッとしたのが実感です。相手(ヤサカファイン)の脚いろに勢いがあった」(藤岡佑介騎手)。

 サマーウインドは、これで12戦8勝、交流重賞2勝目。ダート1200mでは依然として負けを知らない。父タイキシャトル、体型、雰囲気など、生き写しと思えるだけに(記者印象)、本当はこの夜、もっと強い勝ち方を期待していた。あるいはまだ成長途上、真の意味で実が入り切っていないのかもしれない。「勝てたことで今日は満足。次(JBCスプリント=船橋1000m)への権利もとれたから。ゲートがもうひとつで、そこが課題になるでしょう」(庄野靖志調教師)。距離6Fと5F、どちらがベストかは現時点で判然としない。その実体(絶対能力)が明かされるのは、やはり次走“GI”ということになる。

 2着ヤサカファインはこれ以上ない競馬をした。爆発力は素晴らしいものがある。「直線前を捌いたところがゴール。とにかく残念…」(石崎駿騎手)。彼は父隆之Jと同様、レース後多くを語らない(ようにみえる)。ただ悔いが残る騎乗とはまったく思えず、持ち味を100%活かした。逆にいえば鷹見浩厩舎スタッフが、一貫して路線を変えることなくここまで切れるスプリンターに育ててきた事実は、掛け値なしに素晴らしい。3着ミリオンディスク、5着スーニは、今回直接対決6度目で初の逆転。正直もう一つ上を狙いたかったミリオンだが、今回は先着2頭が走りすぎた。自身末脚に安定感を増し、こと短距離ならコースを問わず完全燃焼。交流重賞では、一つの“顔”になりつつある。スーニは、道中自然に中団確保。特に不利もなく、そのままという5着だった。2〜3歳時にみせた、切れ、凄みを思うと何やら寂しい。地方側、勝ち馬を果敢に追ったナイキマドリードは、“印象ポイント”が今回高い。JRA側ではアナモリ。出遅れて最後方追走ながら、上がりは36秒2とメンバー中最速を記録した。今後交流重賞を使えれば要注意。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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