スマートフォン版へ

埼玉栄冠賞・回顧

  • 2010年10月18日(月) 00時00分
埼玉栄冠賞(10月13日 浦和 サラ3歳以上 別定 SIII 1900m良)

△(1)ドリームトレジャー 2分00秒8
◎(2)ブルーラッド 3/4
△(3)ルクレルク  2
 (4)エースオブタッチ 3
▲(5)クレイアートビュン ハナ
……………………
○(6)ディアーウィッシュ
△(7)ザグ
 (8)サイレントスタメン
△(9)ドリームスカイ

単2,410円
馬複6,300円
馬単20,910円
3連複13,680円
3連単143,220円

 転入初戦ドリームトレジャーが、いきなり重賞勝ちの快挙を遂げた。最内からヴァイタルシーズの逃げ。ディアーウィッシュ、ルクレルク、クレイアートビュンまで折り合い、序盤は予測よりゆったりした流れになった(1000m通過63秒8)。向正面、外々をブルーラッドが追い上げると同時にレースが動き、ドリームトレジャーはその直後、虎視眈々と前をうかがう。そして4コーナー、ブルーラッドが捲り切ったところで躊躇なくインを突いた。勝負を決める好騎乗。「走る馬です。素直で利口。自分が思い描いた通りの反応で、とにかく会心のレースでした」(本多正賢騎手)。終わってみれば上がり37秒6、メンバー中、最も鋭い脚を使っている。恵量54kgを割り引いても胸が張れる内容だった。

 ドリームトレジャーは、コマンダーインチーフ×サンデーサイレンスの5歳牡馬。JRA4勝をすべて芝1800mであげており、絶対能力と距離適性が、ひとまずフルに活きた結果といえる。ただダートは戦歴上まったく未知数(東京2100m1戦・9着)。調教試験、追い切りなど快調に動いたものの、今回人気薄(6番人気)も仕方なかった。文字通り“水を得た”大変身。「正直びっくり。上手に乗ってくれました。ただ(状態は)まだ8分くらいと思っていたし、これなら…という感触がある」(佐々木功調教師)。その場で次走「浦和記念=GII・11月24日」挑戦が明言された。1900m2分00秒8は、良馬場に限ると過去10年中第2位(昨年ブルーラッド=2分02秒0)。本多騎手は、サンタアニタT=カキツバタロイヤルに続き重賞2勝目。確かな腕と勝負勘を、改めてアピールした。

 ブルーラッドは、結果連覇を逃がしたものの悔いのない2着とみえた。「(3コーナーから)仕掛けて反応がよかったし、この馬らしい競馬ができた。今日は相手が走っています」(御神本J)。日本テレビ盃(6着)から中2週。やや疲労も懸念されたが、充実の4歳秋、心身両面で逞しくなった証拠ととれる。目標・浦和記念へ向け十分なメドが立った。ルクレルク3着は、ほぼ現状の能力通りか。スピード、器用さ、水準のオープンレベルには達しているが、統一重賞となるとワンパンチ物足りない。クレイアートビュンはひと息入れて7kg増。馬体などよくみえたが、いざ実戦でいつになくカカってしまった。次の目標をどこに据えるか。距離万能、叩き良化型ではもちろんある。ディアーウィッシュはわからない。スローの2番手は理想的といってよく、それで離された6着(1.2秒差)には首をひねる。「追ってから案外だった。間隔が開いて(2か月)馬の気持ちが乗らなかったか…」(今野J)。父クロフネ、距離は問題ないはずで、次走(おそらく浦和記念)、再び真価が問われる。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング