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うまくすれば大化けしそう、マンカフェ産駒キャニオンリバティ

  • 2010年10月19日(火) 11時00分
●イグアス(牡 栗東・角居勝彦 父ディープインパクト、母ポトリザリス)
 半姉ディアデラノビア(父サンデーサイレンス)はフローラS(GII)など3つの重賞を制したほか、オークス(GI)とヴィクトリアマイル(GI)などで3着となった。半兄クルサード(父ダンスインザダーク)とマゼラン(父クロフネ)もまずまずの素質を示した。母ポトリザリスはアルゼンチンダービー(G1)、アルゼンチンオークス(G1)を制した女傑で、母の兄弟姉妹には3頭のG1ウィナーがいる。近年のアルゼンチンを代表する名牝系に属しており、ポテンシャルはきわめて高い。父ディープインパクトは母方の特長を出しやすいので楽しみが大きい。

●オースミドライバー(牡 栗東・武田博 父スニッツェル、母カツラドライバー)
 半姉エフティマイア(父フジキセキ)は新潟2歳S(GIII)を勝ったほか、桜花賞(GI)とオークス(GI)でも2着に食い込んだ活躍馬。父スニッツェルは現役時代にオークレイプレート(豪G1・芝1100m)など4勝つの重賞を制した名スプリンター。その父Redoute's Choiceはオーストラリアでリーディングサイアーとなったスピード型の種牡馬。今年の2歳世代が初年度産駒。母は「ニホンピロウイナー×ノーザンテースト」でHyperion血脈が前面に出ており底力十分。こういうタイプは父スニッツェルのスピードと合いそう。芝向きのスプリンター。

●キャニオンリバティ(牝 栗東・鶴留明雄 父マンハッタンカフェ、母テレフォニカ)
 マンハッタンカフェ産駒は、母方にMr.ProspectorとNijinskyを併せ持つ配合が成功パターンのひとつ。サンディエゴシチー、イコピコ、マンハッタンスカイ、レッドアゲート、メイショウレガーロなどが出ている。Ribot系が入るパターンも底力の充実が図られるので好結果を残している。3代母Key Dancerは名繁殖牝馬ダンシングキイの全姉にあたる良血。うまくすれば大化けしそうな雰囲気がある。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

●クインテッサ(牝 栗東・松田国英 父スペシャルウィーク、母ハートオンウェーブ)
 父スペシャルウィークはStorm Catと相性がよく、この組み合わせからオースミダイドウ、タガノエリザベート、ラナンキュラス、ダイレクトキャッチ、ダンツクインビー、モズなどの活躍馬が出ている。2歳から3歳春が稼ぎ場で、2000m以下を得意とする馬が多い。POGにはうってつけの配合だ。母ハートオンウェーブは2歳夏のマリーゴールド賞(OP)2着。出てきたらいきなり勝負になる。芝・ダート兼用でマイル以下に向く。

●シャイニンオーラ(牝 栗東・松田博資 父King Kamehameha、母Shinin' Ruby)
 母シャイニンルビーはクイーンC(GIII)の勝ち馬。2代母シャイニンレーサーはマーメイドS(GIII)の勝ち馬でフジキセキの半姉。華々しい牝系に属している。本馬は、母シャイニンルビーがキングカメハメハと種付けし、その後アメリカへ渡ってから出産したので外国産馬扱いとなる。「キングカメハメハ×サンデーサイレンス×ノーザンテースト」という比較的よくある配合だが、牝系の質がいいので出世しそうだ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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