先週は京都外回り芝1400mで、短縮馬が圧倒的に有利だという話をした。そして、その短縮激走馬の中には、逃げ、先行馬が多く存在していたのだった。通常の順ショックである「差し馬の距離短縮」に加え、この逃げ、先行馬の距離短縮が回収率を大きく引き上げているのである。
普通、距離が短くなると、前走よりペースが厳しくなるので、前走で気分良く前に行った馬は揉まれて気分を損なう可能性が高くなる。そのため、「短縮ショッカー」では、「前走前に行っていて、今回差すであろう馬」を狙うのがよりベターな作戦とされているのだ。
ところが、外回り1400mでは、そのまま先行して押し切り大穴になるというパターンが多く存在する。
結論から先に言うと、この現象は京都外回り1400mに「軽さとタフさ」という2つの真逆の要素が混在している様を端的に表しているものなのだ。
外回りで直線が長い。したがって体力があった方が良い。そうでないと、直線でスタミナ切れを起こしやすいからだ。スタミナ切れをおこさないためには、体力補完系である「短縮ショック」は効果的なショックになる。この「タフさ」がひとつめの側面だ。
もうひとつは、その「軽さ」にある。外回りのため流れは緩くなり、レースは極めて単調に終始することが多い。したがって、前走長い距離を逃げていた馬でも、辛さを感じることなく、楽に逃げ、先行が出来るのだ。
前半に無理をしなくても前走同様に前に行けて(ときには前走よりも楽に)、しかも短縮によって直線に向いても体力がありあまっている。
これは確かに有利だ。
実際、先週例に見た
ショウナンラノビアも、福島1800m(10/4/24、福島芝、
福島牝馬S)は前半35.3秒。次の
テレビ愛知オープンでは前半34.9秒。こちらの方が入りは若干速いが、前走は1800mで稍重の時計が掛かるタフな馬場。挙げ句、後続のプレッシャーが厳しい小回りの福島だった。
対して今回は超高速馬場の京都外回りで、前半3ハロンでの体力消耗は前走の方がはるかに激しい。そのため、400mの距離短縮なのに、むしろ前半3ハロンの入りは物理的に楽に感じたはずだ。だから最後に体力が残っていたのである。
この体力補完系ショックと先行馬の関係性を如実に物語るのは、何も短縮だけに限らない。
次週は「疑似短縮」の形を見てみよう。
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