すでに今年の2歳世代からは
レーヴディソールが重賞勝ち(デイリー杯2歳S)を果たした松田博厩舎だが、本格的な攻勢は今週から始まると言っていいだろう。
牡馬でトップクラスの評価を受けていた
アドマイヤカーリンが土曜京都芝1600メートル戦でいよいよデビュー。「ディープ産駒で大きいのは走る感じがしないんだよなあ」とか「まだ追い切りをやっていかないとわからんところがある」と入厩当初は慎重な口ぶりに徹していた松田博調教師だったが、調教が進むにつれて「やっぱり走るんだろうなあ」とトーンは上がってきた。
物足りなさを覚える(?)コメントかもしれないが、何かとプレッシャーのかかることが多い「アドマイヤ」冠の馬。これだけの話が出てくること自体滅多にないことなのだ。
何かと半兄のアドマイヤモナークとの比較をされてきたが、「同じ時期で比べたらこちらの方が性格も走りもいい」とのこと。実際、やや頭の高い走りをしていたモナークと違って、追い出してからは全身をしなやかに使えている。仕掛けた時の反応や最後の伸びを見ても“ただ者ではない”という雰囲気に満ち溢れている。
ひょっとすると、モナークが「カーリンの兄」と言われる日が近くまできているかもしれない。ちなみに担当するのはモナークも担当した小園調教厩務員。前出のレーヴもこの人が担当している。このままいけば“両手に花”となるかも!?
土曜のマイル戦でデビューを予定している
アドマイヤサイモンもかなりの評価。先週はほぼ初めてと言っていい「ビシッと」追う調教だったが、それにこたえて力強い伸びを見せた。「ほとんどこれだけ追ったのが初めてだったのでどうかと思ったけど、よく伸びてくれましたね。何というか奥がありそうな感じがしてほっとしました」とは担当の中留調教厩務員。
重度の外傷で放牧に出されていた
マルセリーナも今週帰厩。「かなり順調に回復したし、牧場でもしっかりやれているようだ」と松田博調教師。まずはデビューが最優先だが、牧場サイドの期待の大きさはかなりのもの。同じ厩舎のレーヴディソールのライバルになれるか、注目していきたい。
ダーレー・ジャパンでの評判馬
アストロロジーはゲートで苦戦中。ただ、「中で少し落ち着かないだけで、出るのは出る。時間の問題」と田代助手は気にも留めていない様子。ただ、それ以上に不安な点があるという。それが「パワーがありすぎて、今の体には見合わない感じ。耐えられるようになっていってほしい」という点。
贅沢な悩みにも聞こえるが、走る馬の場合はこれが何よりの大問題。まずは己に打ち勝つことが大事なのだ。ともあれ、同じような境遇にあったエイシンフラッシュをダービー馬に仕上げた藤原英厩舎。必ずや期待にこたえてくれることだろう。
ダーレー軍団の牝馬として評価が高いのは
ピクシープリンセス。このコーナーでも何度か取り上げているが、「気性がどうか」という点が不安材料として取り上げられていたはず。しかし、いざ入厩してみると…時々ヤンチャはするものの、調教の行き帰りなどは非常におとなしい。「牧場での育成がうまくいったようだ」とは野中調教師。調教にまたがる湯浅助手も「いい感じですよ。走ってきそう」と手ごたえありの口ぶり。年内にはターフに姿を見せてくれるのでは。
角居厩舎には母エアグルーヴこと
グルヴェイグが入厩。「この兄弟では1番小柄かもしれません」とは角居調教師だが、450キロはあるのだから心配するまでもないか。「牧場で時間をかけて調整してきた」という成果を楽しみに待ちたいところ。

筆者:吉田竜作
「日本一のPOG記者」との異名を持つ大阪スポーツ記者。
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