全体構成も小技も優れたディープ産駒の好配合馬、サンレガーロ
●アサクサショパン(牡 栗東・大久保龍志 父ネオユニヴァース、母ファンジカ)
半兄にハイアーゲーム(父サンデーサイレンス/04年青葉賞-GII)、ファイトクラブ(父Halling/06年中京記念-GIII・5着)がいる良血。父ネオユニヴァースはヴィクトワールピサ、ロジユニヴァース、アンライバルドなどの父で、三振も多いが当たればホームランというタイプ。母ファンジカは、サンデー系と相性のいいHeliopolisとSir Ivorを持っている。ネオユニヴァースはサンデー系なので期待できるだろう。Alleged、Vaguely Nobleといった重厚な血が入るので、動きの重い子が出る可能性もあるが、一発当たれば飛距離は大きい。
●アンナドンナ(牝 美浦・藤沢和雄 父Galileo、母アンナモンダ)
母アンナモンダはヴィトリオディカプア賞(伊G1・芝1600m)、独1000ギニー(G2・芝1600m)、オイロパマイレ(G2・芝1600m)などを制した名牝で、初子のリリエンタール(父Montjeu)は青葉賞(G2・芝2400m)で5着となった。Sadler's Wells系らしく道悪と洋芝に強く、高速決着ではもうひとつ決め手に欠ける。本馬は同じSadler's Wells系のGalileoが父なので、似たようなキャラクターではあるだろう。牝馬だけに軽い馬場にも適応できるかもしれない。
●オースミメイン(牡 栗東・飯田雄三 父ゼンノロブロイ、母レイサッシュ)
兄弟にこれといった活躍馬はいないが、母レイサッシュはステイゴールド(01年香港ヴァーズ-G1、01年ドバイシーマクラシック-首G2)の半妹、レクレドール(04年ローズS-GII、05年クイーンS-GIII)の半姉にあたる良血。母方に入るRivermanとノーザンテーストは、いずれも父ゼンノロブロイと相性がいいと思われるので、ちょっとおもしろいところがあるかもしれない。芝向きの中距離タイプ。
●サンレガーロ(牝 栗東・藤岡健一 父ディープインパクト、母オネストリーダーリン)
ダート王ゴールドアリュールとは、母同士が姉妹で、いずれもNureyevが入り、父はサンデー系なので、配合構成がよく似ている。父ディープインパクトは、ダート向きと思える硬いアメリカ血統から芝向きの素軽い中距離馬を出す傾向も見られるので、こういう配合は好感が持てる。How=Cherokee Rose 6×5の全きょうだいクロス、Hypericum≒Aureole 6×6の4分の3同血クロスも隠し味として効いてくるかもしれない。全体構成も小技も優れた好配合馬。芝・ダート兼用の中距離タイプ。
●ラヴェルソナタ(牡 美浦・藤沢和雄 父ファルブラヴ、母ハッピーパス)
母ハッピーパスは京都牝馬S(GIII)の勝ち馬で、シンコウラブリイ(93年マイルCS-GIなど重賞6勝)の半妹にあたる良血。04年に引退後、繁殖生活に入ったが、妊娠しにくい体質でしばらく子宝に恵まれなかった。そして、スタッフの努力が実ってようやく授かったのが本馬。「ファルブラヴ×サンデーサイレンス」は成功しており、ローズS(GII)2着のワイルドラズベリーなどが出ている。母と同じく芝1600〜1800mあたりを得意とするタイプだろう。