スマートフォン版へ

超抜のデキで泣き笑い

  • 2010年11月09日(火) 13時00分
  • 0
 先週の調教Gメン関連コラムにおいて、先日発売された新書「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ『超抜』のデキを調教欄から見抜く方法」の内容から、調教Gメン研究所ではアルゼンチン共和国杯に出走したスリーオリオンが村山厩舎の鉄板調教に該当して超抜のデキ、そして競馬総合チャンネルの今週の調教Gメンでは福島芝1200mの調教適性について記し、坂路調教馬に適性が高いとまとめていました。

 まずはアルゼンチン共和国杯に出走したスリーオリオン。馬券総合倶楽部をはじめ、競馬予想TV! などでも自信の◎として推奨させていただきましたが、結果は4着。馬券圏内に絡むこともできなかった点は大きく反省しておりますが、今朝9日に管理する村山調教師に話を聞くことができたので「スリーオリオン、鉄板調教だったので、思いっ切り狙ったんですが?」と問いかけてみると、苦笑いしながら「そうですよね」とレースを振り返ってくれました。

 まず「状態は放牧明けでも良かったと思います。レースは東京の直線は坂を登り切ってから仕掛けてもらう方がよかったんですが、スタートが良かった分、積極的に前で競馬した分、最後は脚色が悪くなりましたね。もっと強い馬ならそれでも押し切っていたのかも知れませんが」という締めくくりでしたが、師の口ぶりや表情から察したのは鞍上との相性もあったのではないかな? という気がします。次走は中日新聞杯あたりを視野に入れているそうなので、そこで再度、村山厩舎の鉄板調教で仕上げてもらって、今度こそ重賞制覇を成し遂げていただきたいと思います。

 アルゼンチン共和国杯では「超抜のデキ」で泣きましたが、実は前日の福島では大笑いさせてもらいました。それが福島6日目の12R芝1200mに出走したタニノスバルです。

 福島芝1200mも徐々に馬場が荒れてきたので、コラムに記したように坂路調教馬狙い。特に新書に記した(P138)『古馬戦になれば、坂路での調教本数が多く、ラスト1Fで速い時計を出している調教欄がベストになります』の言葉通りの調教欄を探しました。ずばり該当していたのはヴァリアントレディ。坂路での調教本数は多く、ラスト1Fは12.4秒。この馬を中心にすることはすぐに決まり、馬券総合倶楽部でも「狙い馬」として取り上げさせていただきました。

 その後、相手を探す上で見つけたのが、村山厩舎の鉄板調教。

 タニノスバルは休養明けということで調教本数は少なく、トラック調教と福島芝1200mに適した調教とは言えませんでしたが、日曜に一杯追い、水曜は馬なりという村山厩舎の鉄板調教に該当。厩舎鉄板と調教適性の2頭軸で相手を総流し(計14点)にして、3連複181780円という配当を手にすることができました。

※馬券総合倶楽部の買い目レースにできなくてすいませんでした。

 このレースを的中させたことを村山調教師に伝えると「凄いですね」と本気の笑顔を見せてくれたので、喜びを二度味わった気がしました。

 そしてタニノスバルについては「4コーナーで下がっていくかな? と思ったんですけど、地力がありましたね」とレースを振り返っていただきましたが、あそこで馬群に飲み込まれなかったのが、超抜のデキだったからでしょう。

 新書を出していなければ、ヴァリアントレディとタニノスバルの二頭軸という考え方は皆無。もし私と同じように、この二頭を軸にして馬券を獲っている方がいらっしゃれば、言うことはありません。

 今後も「調教適性」と「厩舎の鉄板調教」の二頭軸で大きな配当を仕留めていきたいと思います。

 さてもうひとつ、村山調教師に聞いておきたかったのが、競馬総合チャンネルの日替わりコラムにある「目指せA TEAM」です。この中に「今週の一頭」のタイトル記事があり、先週はスリーオリオンが取り上げられていました。

 そこには自己紹介として馬の状態がスリーオリオン自身の言葉で語られています。もちろん馬がしゃべるわけないのですが、この内容が素晴らしく的確だったので「内容は先生自身で書かれているのですか?」とお聞きするとYESの答え。「少しでも中の様子を知ってもらえれば」ということですが、村山厩舎の馬を馬券対象に考えていらっしゃる方や競馬をいろいろ勉強したいと考えていらっしゃる方はぜひ読んでみてください。


井内利彰新刊
待望の最新作が好評発売中!
 好評を博した前作「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ 馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」から約1年半。10月29日(金)に発売された井内利彰氏の新作「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ "超抜"のデキを調教欄から見抜く方法」が、好評発売中です!

 前作に続き、今回も厩舎の鉄板調教を惜しげもなく公開するほか、今回は"超抜"のデキを調教欄から見抜く方法を伝授します。

>>Amazonでのご購入はこちらから


調教Gメンとは?
 調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。

調教コース&調教タイプの考え方
 調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「一杯平均坂路」に分類される。

調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。

調教タイプ一覧&イメージ図
調教タイプ一覧&イメージ図

netkeiba.comプレミアサービスはJRA全レースの調教を公開中!
 どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング