夏の牝馬は強いの言葉で片づけていいのかどうか。新潟記念トーワトレジャーの勝利をどう解釈するかで、迷っています。
去年、今年と、新しいコースになってからの新潟記念の傾向として、実績馬よりも、ここに来てプラス・アルファのある馬に利のある2000mと解釈すべきという見方が、はっきりしているようです。
去年の1着馬サンプレイスは、準オープンを勝ってここに臨み、2着エアスマップは、6歳になってオープン入りし3ヶ月の休養から函館で2度叩いてここに挑戦していました。今年の5歳牝馬トーワトレジャーは、元々3歳秋のローズS、秋華賞でともに3着しながら低迷を続けていた馬で、前走、函館記念3着で力が甦ってきたと見られていました。
そして、2着アグネススペシャルはフジキセキの全弟で、春から夏にかけてのし上がってきた馬。ともに、準オープンの身でありながらの好走でした。
実績面では、有馬記念2着があるアメリカンボス、去年2着のあと秋にオールカマーを勝っているエアスマップ、重賞常連ウインマーベラスが上というのは、衆目の一致するところでした。
この3頭がいずれも上位には入れなかったところに、これからの新潟記念を暗示していると思うのです。
今年の1、2着馬は、6月の東京で対戦していて、ここで勝ったアグネススペシャルが54キロ、4着に敗れたトーワトレジャーが51キロの軽量だったのですが、コース取りなどを考えると、両者の力は互角とみていいでしょう。2000m、1分58秒0は、去年より1秒も遅い点などを考慮すると、秋に入ってからの期待を持つのは早計かもしれません。それでも、新潟記念のひとつの傾向は見えてきました。プラス・アルファの見える馬、これこそ夏のローカル重賞で好走する条件なのだと、今は答えとしておきます。