●ジョウノエンドレス(牡 栗東・森秀行 父シンボリクリスエス、母ジョウノベネチア)
父シンボリクリスエスはやや鈍重なところが見られるので、スピード値の高いアメリカ血統とうまくフィットする。とくに3歳春までに活躍する子は、その大半が母方にスピードの裏付けのある血を抱えている。本馬の母の父アフリートはMr.Prospector系。「シンボリクリスエス×アフリート」は地味ながらよく走る組み合わせで、代表産駒のパワーストラグルは白山大賞典(GIII)を6馬身差で制した。ダートの中距離で本領を発揮するタイプだろう。
●ステラプラド(牝 栗東・橋口弘次郎 父ハーツクライ、母ステラマドリッド)
父ハーツクライは今年の2歳世代が初年度産駒。夏のローカルから快調に成績を伸ばし、10月の第2週時点ではディープインパクトを勝率、連対率、複勝率で上回るだけでなく、勝利数でも凌ぐ活躍ぶりだったが、ここ1か月は勝ち星がなく急ブレーキが掛かっている。ただ、それでも一流の成績であることには変わりなく、いずれは種牡馬ランキングの上位を賑わすことになるだろう。本馬はダイヤモンドビコー(重賞4勝)の4分の3妹で、My Bupers 4×3という牝馬クロスを持っている。My Bupers はハーツクライの生命線ともいえる重要なアメリカ血統が詰まっているので、ここをクロスさせた配合は好感が持てる。芝の中距離タイプで本質的にはローカル向き。
●マイネルブレス(牡 美浦・松山将樹 父ネオユニヴァース、母ブラッシングインザレイン)
半兄に中山金杯(GIII)を勝ったほか菊花賞(GI)でも2着となったトーホウシデン(父ブライアンズタイム)、ダートでOPクラスまで出世したトライワンズラック(父トニービン)がいる。本馬は母が20歳時の産駒だが、なぜかこの年齢に至るまで一度もサンデー系種牡馬との交配がなかった。ネオユニヴァースの交配相手としてはやや重すぎるきらいもあるが、Haloと相性のいいSir Ivorを持つので期待できる。芝・ダート兼用の中距離タイプ。
●マドンナスマイル(牝 美浦・杉浦宏昭 父テレグノシス、母フィヨルドクルーズ)
「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」が成功しているので、同じトニービン系のテレグノシスも、母の父にサンデーを持つ配合は悪くないだろうという予測はついたのだが、初年度からいきなり重賞勝ち馬(マイネイサベル=新潟2歳S)を送り出したのは見事というしかない。本馬はそれと同じ「テレグノシス×サンデーサイレンス」という組み合わせ。母フィヨルドクルーズは福島牝馬S(GIII)3着馬。2代母が「Mtoto×Great Nephew」というヨーロッパ血統なので、マイネイサベルほどのメリハリはないが、その分、スタミナ面はしっかりしている。芝向きの中長距離タイプ。
●メイショウクロオビ(牡 栗東・藤原英昭 父マンハッタンカフェ、母スイートストームクリーク)
半兄メイショウテキーラ(父キングカメハメハ)は2勝馬。父マンハッタンカフェはStorm Catとの相性が意外に悪くない。この配合パターンからマッハヴェロシティ、ショウナンマイティ、ツルマルジャパンなどの活躍馬が出ている。本馬はそれに加えてHalo 3×4がある。これも無難に成功している配合パターン。仕上がりが早く豊かなスピードが感じられる。新馬戦に強そうな配合だ。芝・ダート兼用のマイラー。