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浦和記念・展望

  • 2010年11月22日(月) 00時00分
 浦和記念(11月24日 浦和 サラ3歳以上 別定 JpnII 2000m)

 「浦和記念」は、96年交流G移行、当初から“GII格”が与えられ(1着賞金・3500万円)、その第1回をホクトベガが勝っている。彼女は当時7歳暮れ、南関東4場制覇=グランドスラム達成…今ふり返っても歴史的で、同時に感慨深い一戦だった。いわゆる“傾向”で言うのなら、小回りコースでも“実績”“底力”が優先する。ただ今年は、正直拍子抜けした。当初JRA側“正選手”は、スマートファルコン、アリゼオ、トーセンブライト、アドマイヤスバル。しかしそこからアリゼオ以下3頭が回避となり、補欠第3位ロールオブザダイスだけが繰り上がった。JRA・4頭枠がありながら、現実に出走馬2頭。南関勢チャンス…ともいえるが、もちろんこれはレースの重み(売り上げ含め)を大きく下げる。JRA=地方、結局その連携不備か。いずれにせよ興趣半減。JRAダート巧者、浦和2000m向きタイプは何頭も浮かぶだけに残念としか言葉がない。

 (1)…人気馬軸に相手探し。1番人気[3-3-0-4]、2番人気[3-3-1-3]は悪くない数字ととれる。ただ3番人気[0-1-3-6]。人気馬同士の決着は意外に少ない。

 (2)…好走馬多彩。JRA=5勝、2着3とリードするが、船橋=2勝、2着4、川崎=2勝、2着1と肉薄する。他地区からも、岩手、東海所属馬が2度連対している。

 (3)…新勢力。3歳馬が4勝。05年はヴァーミリアンの出世レースともなっている。今年該当馬がないが、強いて結論付ければ“勢い”重視か。6歳馬=2勝、2着3。

 (4)…先行差し。逃げ=4、先行=10、差し=5、追込み=1。向正面8番手以降からの連対は昨年ルースリンド1例しかない。浦和コースのセオリー通り、先行捲りが主流。

 ※データ推奨馬

 ▲ドリームトレジャー…前走転入初戦(JRA・4勝)、いきなり「埼玉栄冠賞」を制している。同レース(名称変更前の埼玉新聞杯を含む)勝ち馬から、モエレトレジャー、ケイアイミリオン、ブルーラッドと、3頭まで「浦和記念」優勝(ケイアイミリオンは1年越し)。ドリーム自身、勢いを残す5歳馬で、レースぶりも緩急自在、浦和中〜長距離に抜群の適性がイメージできる。

◎スマートファルコン 58武豊
○ブルーラッド 57御神本
▲ボランタス 56山崎誠
△ドリームトレジャー 56戸崎
△ディアーウィッシュ 56今野
△ロールオブザダイス 56岩田

 スマートファルコンの能力を信頼する。前走船橋「JBCクラシック」、7馬身差圧勝は、ある意味歴史的といえるもの(過去最大着差・02年盛岡・アドマイヤドン=7馬身差とタイ記録)。1000m通過58秒1、恐るべきハイラップでレースを作り、結局追走したフリオーソの方が息切れした。確かに上がりは3F39秒3を要したが、その39秒3自体、メンバー中最速だった事実がある。絶対能力、スピード値の勝利、そう素直に考えて正解だろう。同馬はこの「浦和記念」、08年優勝、09年大敗(7着)と極端な結果。しかし昨年の場合、休み明け(3か月半)に加え当日10kg減の馬体。スタート直後、前をカットされるアクシデントもあった。体調万全、呼吸の合う武豊J、別定58kg…。ごく普通には今回まったく死角がない。

 連覇を狙うブルーラッドも抜群のコース適性。ただ、前述通り昨年は相手サイドにさまざまな不利が重なった結果といえ、当時2000m2分07秒1、単純な時計比較からも(08年Sファルコン=04秒8)、有力な2着候補――が妥当なところか。

 ▲ボランタスは、前々走「ゴールドカップ=浦和1500m」、渾身の捲り(4馬身差)を評価した。データ欄で推したドリームトレジャーも、しぶとい中〜長距離型だが、前走隙のないレースをしただけに(本多J好騎乗)、今回戸崎Jへの手替わりにあまりプラスを感じない。それなら逆に前走スローで折り合いを欠いたディアーウィッシュの巻き返し。ロールオブザダイスは今回補欠メンバー、直前の繰り上がり。戦力自体もここにきてやや頭打ちの感がある。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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