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ディープインパクトの成功パターン、トーセンサイレンス

  • 2010年11月30日(火) 00時00分
●ヴィオラダモーレ(牡 美浦・国枝栄 父アグネスタキオン、母ドナヴィオラ)
 母ドナヴィオラはイエローリボンS(米G1・芝10f)、ゲイムリーH(米G1・芝10f)、オペラ賞(仏G2・芝1850m)など5つの重賞を制した名牝。産駒にこれといった活躍馬はいないが、アグネスタキオンとの組み合わせは期待できる。母の父Be My ChiefはChief's Crownの子。母方にChief's Crownが入るアグネスタキオン産駒といえばダービー馬ディープスカイがいる。Halo≒Sir Ivor 3×4、母方の奥にあるヨーロッパ血脈もアグネスタキオンの配合パターンとして悪くない。芝向きの中距離馬。

●グリッターテイル(牡 栗東・鮫島一歩 父Tale of the Cat、母Tadwiga)
 半兄Rock Lobster(父Mt.Livermore)はサラナックS(米G3・芝9.5f)の勝ち馬。母TadwigaもメイトロンS(愛G3・芝8f)の勝ち馬でありファミリーの資質は高い。父Tale of the CatはStorm Cat系で、基本的にはダートのほうが合うタイプ。しかし本馬は、母がヨーロピアンタイプの血統で芝で実績を残しており、兄も芝で活躍したので、芝も十分こなせるだろう。仕上がりが速く新馬戦から動けるタイプ。芝・ダート兼用のマイラー。

●スナークスマイル(牝 美浦・清水秀克 父フレンチデピュティ、母サンデーアイ)
 半兄アイポッパー(父サッカーボーイ)は阪神大賞典(GII)、ステイヤーズS(GII)を勝ち、コーフィールドC(豪G1)でも2着となった。もう1頭の半兄インマイアイズ(父サクラバクシンオー)はOPクラスに出世。母サンデーアイの繁殖成績はなかなか優秀だ。本馬は「フレンチデピュティ×サンデーサイレンス」という組み合わせ。これはレジネッタ、サイレントプライド、アンブロワーズ、ライラプスといった重賞勝ち馬が出ている組み合わせで成功している。芝向きの中距離馬。

●ディオルーチェ(牡 美浦・加藤征弘 父アグネスタキオン、母ディーバ)
 半兄サンカルロ(父シンボリクリスエス)はニュージーランドT(GII)の勝ち馬で、スプリンターズS(GI)でも3着となった。2代母ミスセクレトは伊2歳牝馬チャンピオンで、3歳時には伊1000ギニー(G2)を勝っている。素軽さとスピードが特長の牝系で、これにアグネスタキオンなので、マイル前後で活躍する芝馬だろう。上2頭はいずれも新馬戦を快勝しており、おそらく本馬もデビュー戦では相当強いはず。

●トーセンサイレンス(牡 栗東・大久保龍志 父ディープインパクト、母ミルグレイン)
 半兄ファイングレインは高松宮記念(GI)、シルクロードS(GIII)などを制した短距離の強豪。母ミルグレインの全姉ピュアグレインは、愛オークス(G1)とヨークシャーオークス(英G1)など4つの重賞を制した名牝。ポテンシャルの高い牝系だ。現在、ディープインパクト産駒で2勝目を挙げている2頭、ディープサウンドとドナウブルーは、いずれも母の父がDanzig系なので、同じ配合パターンを持つ本馬には期待できる。芝向きのマイラー〜中距離馬。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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