全日本2歳優駿(12月15日 川崎 サラ2歳 定量 JpnI 1600m)
「全日本2歳優駿」は、97年交流G移行(当初GII)、以後02年からGIへ昇格した。優勝馬は総じてハイレベルといえ、97年アグネスワールド、99年アグネスデジタル、02年ユートピアなど、海外Gでもめざましい活躍をとげている。南関東重賞、その意味で最も誇り高いレースかもしれない。過去10年地方側の勝ち馬も、00年トーシンブリザード、06年フリオーソ、そして昨年ラブミーチャンと並べれば、半端な馬では勝てない、グレードの高さがみえてくる。ただし戦前は“上位拮抗”、そんな年がほとんどで、今年の顔ぶれも例外ではない。ここで1つ抜け出る馬がいったいどれか…。直前セルサス(ハイセイコー記念圧勝)回避は残念だが、ひとまず必見のレースといえる。
(1)…波乱含み。1番人気[3-2-2-3]はまずまずだが、2番人気[1-0-2-7]、3番人気[1-3-1-5]と信頼度が低い。昨年もいわゆるタテ目の馬単8940円。波乱含みか。
(2)…JRA優勢。JRA=6勝、2着2。イメージほどではないにしろJRA上位。次いで船橋=2勝、2着1。北海道=1勝、2着4も注目できる。各所属馬にチャンスあり。
(3)…兵庫JG勝ち馬。近年その勝者が優勢で、過去6年に遡り1、3、2、4、1、1着だから特筆できる。牝馬はトータル[2-0-0-15]と両極端だが悪くはない。勝ち馬平均キャリア4.4戦。
(4)…先行差し。逃げ=6、先行=6、差し=4、追込み=4。各馬脚質が定まらない段階だが、前々で二の脚を使える馬がやはり有利。コーナーのきついコースで器用さも要求される。
※データ推奨馬
◎リアライズノユメ…近年最も実績をあげている「兵庫JG」勝ち馬。牝馬2勝、昨年ラブミーチャンは異質だが、05年グレイスティアラを思い出すとイメージが合ってくる。緩急自在、流れに応じたレースぶり。アフリート産駒は04年プライドキムが優勝。
◎カネマサコンコルド 55五十嵐
○リアライズノユメ 54福永
▲ガムラン 55蛯名
△トウショウクラウン 55内田博
△ビッグロマンス 55田中勝
△リョウウン 55山田信
△エルウェーオージャ 55坂井
オヤシオ 55丸山
キスミープリンス 55戸崎
ドラゴンウィスカー 55水野
北海道・カネマサコンコルドを主役にとった。デビューから一貫エリート路線を歩み[4-2-0-1]。唯一馬券から外れたのはJRA芝「すずらん賞」4着(0.5秒差)だけで、ダートでは6戦すべて連対を果たしている。とりわけ印象的だったのは前々走門別「北海道2歳優駿=JpnIII」。当時混み合う馬群の中で脚をタメ、直線狭いインから弾けるように抜け出した。父フサイチコンコルド、切れとパワー、両面を備えるイメージ。前走「兵庫JG」2着はいかにも忙しい園田1400m、出遅れを含めた展開負けと納得できる。今回道営エース・五十嵐冬樹Jを起用。追わせるタイプでおそらく手が合うだろう。大外(13番枠)も、相手を見ながら乗れるぶんむしろいい。
完成度を素直に買えばリアライズノユメだ。「エーデルワイス」→「兵庫JG」と重賞連勝、いずれも完璧な好位差し。牝馬ゆえ外見は少々華奢でも(440kg台)、精神面に強さがあり、勝負どころのセンスと集中力が素晴らしい。前述通り、現時点比較で05年グレイスティアラのレベルにはあるだろう。距離も今夏1500mまで経験済み(札幌芝3着)だから特に減点とは思えない。JRA、地方を通じ、今年の2歳牝馬、当たり年というムードもある。
以下、JRA勢の比較は難しい。中でガムランはデビューから東京ダート(左回り1600m)2連勝。時計こそ目立たないが、父シンボリクリスエスの大型馬で奥行きがありそうだ。未勝利→特別連勝(ダート1800m)トウショウクラウンは、父ゴールドアリュールの馬力型。早々と内田博Jを確保しており、ハイペースの混戦でよさが出るか。北海道2歳優駿、カネマサコンコルドに1/2馬身で続いたビッグロマンス、南関東No.2リョウウンまで争覇圏。園田エルウェーオージャも前走兵庫JG・3着、上がり37秒6からは大穴の資格がある。